左右の50肩と糖尿病を合併した場合のHbA1c値の推移。

以前から糖尿病で、さらに左右とも50肩になってしまった患者様の症例です。

左右とも肩周辺がとても痛くて腕があまり動かせない状態でした。このころのHbA1cの数値は高く、かかりつけの医師もこのままの状態は芳しくないと難色を示すような状態でした。

当院では、肩の痛みと可動域制限があるということでそれらの改善を目的とした施術をおこなっていました。施術内容は主に、痛む周辺のマッサージと肩周辺の深部の筋肉へ対する等尺性収縮と軽い運動療法です。

週一回から二回施術をさせて頂き、1カ月経過ぐらいから両肩の痛みが当初に比べると大分楽になったと仰っていました。どの手技も心地よいが、特にマッサージが非常に心地よく肩が軽くなるとのことでした。可動域制限はまだありますが、日常生活における「痛み」が和らいできたのです。

それから、またHbA1cの値を病院で計ったところ、医師も驚く程とてもいい数値だったそうです。

ここで重要なのが、常にある慢性的な強い「痛み」による「ストレス」及び「血流不良」がHbA1cの値を高くするのに関係していたのではないかと言う事です。

無血刺絡の症例集にも、糖尿病の改善症例が何例か載っていました。無血刺絡は、痛圧刺激により副交感反応を得るというもの。それであれば今回の施術のようにマッサージや等尺性収縮で筋緊張緩和、血流促進を図るという事は無血刺絡と似た効果を出すことは出来ると思います。

ところで、なぜ無血刺絡を行わなかったかと言うと別に施術してもいいのですが、とてもお疲れのように感じたからです。痛みで夜も眠れない、寝ても起きても肩が痛いし、検査結果や数値が気になる、など心身共に疲弊している状態で無血刺絡の痛圧刺激はしんどいかもしれないと思いました。あと、最初に入らして頂いた時に無血刺絡の施術も行ったのですが、それよりも周辺の筋肉をマッサージした時にとても気持ちが良く心も体もとても楽になった、これを楽しみにまた一週間頑張ると仰って頂いたというところが大きいです。

たまに、マッサージは意味ないとか、痛い所に施術しても治らないなどという文言を耳にしたり目にする時もありますが、何が一番その患者様に合っているかという事がとても重要です。副交感神経を優位にさせて、血管拡張を促して内因性発痛物質を散らすというところが狙いであるとしても、どの方法でそれを行うか、どの方法がその患者様に一番適しているかというところが大切になると思います。

神楽坂 東五軒町鍼灸整骨院より。

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