瘀血、気滞と自律神経。

瘀血の原因には内因と外因があります。
内因は内なる原因で、外因と外界の影響によるものをいいます。

瘀血の主な内因
①精神的な異常
②気滞と気虚
③痰飲(余分な水分)と陰虚(水分不足)
④体質による冷え
⑤体内の熱、炎症
⑥先天的な瘀血体質
⑦体内の出血

瘀血の主な外因
①外界からの寒邪(凍傷など)
②外界からの熱邪(火傷など)
③外傷や手術痕

気虚や気滞は詰まるところ元気がない状態の事をいいます。元気がなくなる原因は、ご飯や栄養を摂っていない事もありますが、精神的な影響が大きいです。「内傷七情」といって、喜、憂、思、悲、恐、驚などの感情が過剰だと精神が不安定になって元気がなくなります。

また「外感六淫」といって、風、寒、暑、湿、燥、火など季節の変化や環境の要因によっても体と同時に精神も時として蝕まれて不安定になり気虚や気滞に繋がる事もあるのです。

気滞の発生した部位によりそれぞれ特徴的な症状が出ます。例えば胸部に気滞が現れると胸苦しさ、胸の痛み、ドキドキ感などが出ます。また、消化管に気滞が現れると食欲不振、腹部膨満感、腹痛などが現れます。
気滞の中でも精神と関係するものは「肝うつ」などといいます。「肝気鬱滞」は不平不満、怒りなどの精神的な興奮のために起こります。怒りによる精神的な興奮は交感神経優位、アドレナリン分泌、血管収縮、血圧上昇、血液凝固促進を招きます。すなわち、血流が悪くなって瘀血の形成を招くのです。

逆にリラックスしていれば副交感神経が優位になり、上記とは逆の作用が働きます。
瘀血形成とストレス、自律神経のアンバランスは関係が深いです。特に急激な緊張や、慢性的な緊張状態の持続はよくありません。緊張するスピーチの途中で心筋梗塞で倒れたり、過労や心労で脳梗塞や脳出血、心筋梗塞も発症します。

緊張しすぎの他に、リラックスしすぎも良くありません。血管の開き過ぎは逆に血流が悪くなるのです。大切なのは自律神経のバランスを程よく保つ事です。

瘀血治療は、刺絡療法と共に自律神経調整に重きを置きます。