膝の変形性関節症の一般的な概要。

膝の変形性関節症は、膝関節の内側の軟骨がすり減ったり、軟骨の位置がずれたり、骨の変形が進んで尖ってたりする事で痛みや動きの悪さ、見た目の変化が現れる疾患です。

大きく分けて治療は保存療法か手術です。保存療法とは、手術ではない方法全般の事です。
手術は、あらゆる保存療法を行なっても一向に症状が改善せず、日常生活を送るのが極めて困難な状態の時に検討されます。

保存療法の中でも、運動療法は強く推奨されています。
これは、痛いからといって動かさないでいると変形や症状が悪化したり、関節周囲の筋力低下を招くからです。

そして、運動することでシェイプアップを図り、膝にかかる負荷を少しでも減少させることも狙いです。

運動は、痛みのない状態でのストレッチや水中ウォーキング、自転車こぎがおすすめです。

ただし、8から12週間適切な運動をしても効果がみられない、もしくは悪化した場合は運動の見直しかまたは中止してください。

次に、薬を使う事も一つです。痛み止めを貼ったり飲んだり、ヒアルロン酸と痛み止めの混合液を注射で直接関節内に入れる方法もあります。

三つ目に、適切な理学療法を受けることも大切です。
理学療法には、電気治療器を用いた神経刺激、超音波、はり灸、マッサージなどがあります。基本的には、関節部を温めたりほぐしたりする事で筋肉や関節、神経などの働きや動きを良くするのが目的です。

義肢装具士さんに、膝や足底板などの装具を作ってもらうのも一つです。装具は人により、身体にもろにフィットすると生活の質を大幅に改善する事があります。

装具とまではいかなくてもサポーターを装着するのもいいでしょう。膝を支える筋肉の働きを補助して運動しやすくする効果があります。

残念ながらはりきゅうに関して整形外科学会では、神経損傷や火傷のリスクがあるため、「あんまりやらない方がいい事を弱く提唱する」というガイドラインになっているようです…。しかし、なぜ変形性関節症の患者さんが鍼灸施術を選択するのかを考えねばならないと思います。要は、上記の事をやっても効果がないから救いを求めて藁をもすがる思いで鍼灸にたどり着くのでしょう。鍼灸や柔道制服は国家資格ではありますが、医師会などからしたら医療とは認められない、眉唾物という認識である事はわかりますが、全ては患者さんのQOL向上のために病院も鍼灸院もやれる事を誠心誠意行う事が肝要だと僕は思います。