「変形性膝関節症」PRPなど切らない手術の効能あれこれ。

「末梢神経ラジオ波焼灼療法」
これは、膝関節にラジオ波という高周波を流して痛みを伝える神経の末端のタンパク質を焼いて破壊して遮断する方法です。
超音波画像で局所を観察しながら周辺の主要な神経に針を刺してラジオ波を一箇所あたり約2分30秒流します。
これにより痛みが感じにくくなり、効果は1から2年続くとされます。手術時間は約1時間です。この療法は体の負担が少ない事から、高齢で持病があって手術のリスクが高い方が選択される事が多いです。
治療効果としては、治療から半年で痛みが半分以上軽快している人は約7割で、効果には個人差があります。
ただし、これはあくまで痛み感覚を遮断する方法なので関節の変形はそのまま存在します。費用は3割負担で5万円くらいです。

「多血小板血漿療法」
血小板には血液を固まらせる作用の他に、組織の修復能力のある成長因子が含まれています。自分の血液から抽出したPRPすなわち多血小板血漿を膝の患部に注射して、成長因子の作用で膝の痛みを抑えようとする治療法です。これは「再生療法」です。
自分の血漿を注入するので異物を入れるのとは違って免疫反応が起こることはありません。
治療効果としては、痛みの抑制、身体機能、日常生活動作、生活の質の向上があることはあるのですが、PRPの調整(機械や方法が若干異なる)や対象者の重症度にばらつきが多くて正確な効果判定がなされていないのが実情なのです。

「サプリメント」
サプリメントとはそもそも法律上の定義はなくて健康に良い事をうたった食品の事をいいます。主に膝関節症のガイドラインで効果を検証した成分でいうと、グルコサミン、コンドロイチン、両者の併用、ビタミンD。
…そしてこれらの検証結果は、グルコサミンは痛み抑制、関節の保護などの効果は認められませんでした。コンドロイチンは少しだけ痛み抑制効果が認められたけどほぼほぼ効果なし。グルコサミンとコンドロイチンの混合も効果なし。ビタミンDは骨を作るために大切な要素ではありますが、軟骨のすり減りに関しての効果は確認できていません。
よって、サプリメントでは変形性膝関節症の症状は改善しません。
上記のように、サプリメントに関する法律の定義がないためビジネスとして、あたかも効きそうなイメージで多くの薬局やストアなどで当たり前のように売られています。どんなにうまいキャッチコピーやパッケージでも関節症には効果がないので買わない方がいいと思います。

ただし、「大切な人の事を思って」とか、「少しでも良くなりたい」とうような動機で「膝に効くとされるサプリメント」を購入するとうのは100%否定はできないと僕は思います。なぜなら、そのような前向きで愛がある行動と動機は、辛い症状克服の第一歩になる可能性があるからです。飲む飲まないに関わらず、大切な人からもらったサプリのパッケージを見るだけでも元気が出てくるとか、プラスの要素は絶対にあると思います。ですが、くれぐれも商品に傾倒しすぎないように、飲みすぎ、買いすぎなどには注意してください。