耳鳴りと腎、恐れの感情。

耳鳴りは内耳領域で起きる異常だ。人間の耳の奥、すなわち内耳には平衡感覚を司る半規管と聴覚を司る蝸牛がある。これらは共にリンパ液で満たされている。だが、この部分にむくみが出来たり、何らかの異常が起きると耳鳴りやめまいが起きる。医師の診察や理学検査で異常なしと出ても、確固たるめまい耳鳴りの症状を持っている方は多い。

今回は耳鳴りの症例だ。鍼灸師的視点から言わせてもらえば、耳鳴りは様々な要因で起こる。例えば、足首や骨盤など下肢のバランスが悪くてそれを上肢で補おうとした際に内耳に影響が加わり耳鳴りを発症するとか、はたまた腎臓での水はけが悪くなりそれが内耳領域のリンパ液にも影響が出ているなど、あまり耳鼻科の先生が言わないようなことも視野に入れて考えていく必要もある。なぜ言わないかというとエビデンスがないからだろう。だが、耳鼻科の医師が考えもしない見立てと施術により、症状が改善する事もしばしばあることも事実だ。

さらに東洋医学では陰陽五行説という考え方がある。

五行説において耳は腎臓と繋がりがあり、恐れの感情とも関連しているという。恐れの感情が耳や腎臓に影響を与えて血に巡りが悪くなり何らかの症状が出ると。もう一つ、陰陽論では右を感情や女、左を規則や男と捉える。なので、例えば左耳の耳鳴りならば、常日頃何らかの男性による問題で恐れを感じている。それがつもりつもっていつしか耳鳴りの症状になったしまったということも全部が全部でなくともありうるのだ。「恐れをともなう何らかの男性による問題」というと、パワハラ、モラハラ、セクハラなどが思うかぶ。なので、この場合の根本治癒とは「恐れの原因となっている人間と離れる事」ということになる。そんなことで治るわけないと思う方もいるだろうが、病院で原因が良く分からない耳鳴りと言われ、治療成績が良くないという場合は左右どちらの耳か、恐れを感じる対人トラブルなどの面をちょっと考えてみて欲しい。