瘀血によって生じる身体の異常

血液の運行が何らかの原因によって失調し、病的な血行不良状態に陥った病証を東洋医学では「瘀血」といいます。

瘀血とは、血流が緩慢になったり、鬱滞する事で病を引き起こす「微小循環障害」の事です。

瘀血の原因は主に体内から生じる原因(内因)と、外からの影響(外因)の二つです。

内因は、気滞、気虚、寒虚、血熱、血虚、気血両虚などがあります。

「虚」とは弱い、足りないなどの意味があります。上記のものは、気や熱、血の力や余力が少ない事で不調を招くというニュアンスです。

外因は、外寒(外からの寒さ)、内寒(体質的な寒さ)、外熱、内熱などです。寒熱が血液の流れに影響与え血流が停滞する事で瘀血が生じるのです。

瘀血によって生じる体の異常な症状について以下に記します。

①痛み

痛みは瘀血による症状の大きい特徴です。その性質は持続性で、部位は固定性がみられます。圧痛が著名で、刺すような拍動性の痛みを伴います。生理学的にも、血の巡りが悪くなることで血管壁から内因性発物質が出現し停滞することで痛みや重だるさの症状が出は事は説明がつきます。この事を「不通則痛」といいます。

②皮膚、舌の色調の変化

舌の色が暗い紫色になり、皮膚には細絡や瘀点が出現します。

③血液の栄養、滋養作用の低下

血液の栄養状態が悪くなると「肌膚甲錯」といって、皮膚が乾燥して荒くなり色素沈着が起きたりします。

④腫塊

瘀血が留滞すると凝り固まって、腫塊という塊を形成します。

⑤精神神経症状

脳内の血流が悪くなることで、健忘、精神異常、麻痺、意識障害などの精神神経症状が現れることがあります。

⑥冷え

瘀血により血流障害の起こる事で自ずと抹消が冷えやすくなります。