温める+緩める+無血刺絡+鍼+刺絡。

瘀血を出す刺絡。「温める」+「緩める」+「自律神経調整」+「瘀血を砕く」+「吸う」+「出す

東京都新宿区にある神楽坂東五軒町鍼灸整骨院では刺絡療法を専門に行っています。

刺絡療法とは、瘀血を出して自律神経を調整する作用があります。
指先にある井穴、背中にある背部兪穴など然るべき急所から溜った血「瘀血」を出していきます。

人間は日々の飲食により栄養を吸収しますが、そのうちの約三分の一は吸収され約三分の一は外に排出され残った三分の一は身体に夾雑物として残ります。いわゆるゴミのようなものです。これが、心臓から拍手されてれ全身をめぐり心臓に帰るための静脈血に溜りやすいのです。このようなものが少しづつ溜っていき、さらに日々の生活で長時間同じ姿勢が続いたり、ストレスがかかって自律神経が乱れたりすると血の巡りが悪くなり、長い時間をかけて何らかの不調につながるのです。

ヨガ、運動、マッサージ、鍼など瘀血を散らす方法は数あれど、瘀血を出す方法は刺絡しかないと私は考えています。
そして、「瀉血」や「メディカルカッピング」などと巷では聞くことがありますが、適切なツボを使って鍼灸師が行うのは「刺絡」でありそれも、ただただ血を出せばいいというわけではないのです。

私が考えるに、刺絡で瘀血を出すには順序があります。当院では、問診、触診をよくよく行った上で、遠赤外線で温め、マッサージで筋肉を緩め、無血刺絡療法という特殊な手技で自律神経を調整して副交感神経を優位にして血管を開き、必要であれば鍼で奥まで刺激を加え筋肉を緩めると同時に瘀血を砕きだしやすくし、カッピングで瘀血をより皮膚表面に吸い上げ、最後に刺絡で瘀血を外に出すという事を行っていきます。

「温める」、「緩める」、「自律神経にアプローチ」「砕く」、「吸う」、「出す」という形。これが私が辿り着いた刺絡の最適な形の一つです。

現代人は、【「瘀血」により様々な病症が起こっているといっても過言ではない。

「瘀血とはすなわち微小循環障害により起きる」】と医師の西田晧一先生は著書の「瘀血を治す」で仰っています。
心臓から拍出された血液は手足や臓器の末梢では毛細血管を流れる小さな流れとなり、この流れを「微小循環」というわけです。
微小循環の流れは全血管の90%を占めていて組織細胞に絶え間なく体液の流れを分配し、細胞組織の機能を円滑にしているのです。※西田晧一先生著 「瘀血を治す」より抜粋。

末端の小さな血管の流れが悪くなると様々な病気に繋がります。日本人の死因の三大疾病は、癌、心疾患、脳血管疾患ですが、これらはどれも言うなれば血の巡りと自律神経が関係しています。

癌は細胞のコピーミスが原因でそれが上手く処理されずに増えていくわけですが、自律神経とストレスも癌の発生、そして増殖に関与していると医師の安保徹先生は著書で仰っています。
以下、【「癌は交感神経が極度の緊張状態に陥って顆粒球が増加することで引き起こされます。しかしこれとは正反対のメカニズムでも引き起こされることが分かっています」】※安保徹先生著書 安保徹の免疫学入門 より抜粋。

自律神経は血管拡張収縮を司っています。その中で交感神経優位の状態、すなわち緊張が続くと血の巡りが悪くなり顆粒球が発生して活性酸素を生み自分自身を攻撃してしまいます。それが細胞にとって良くない事は言うまでもありません。逆に、副交感神経が長期的に優位になりすぎるのも良くありません。これは血管が開きすぎて逆に血の巡りが悪くなるのです。

循環器系疾患の中で注目すべき一つの疾患として動脈硬化があります。これは血管が硬く狭くなって血の巡りが悪くなる状態を言います。過剰な脂質、運動不足、タバコ、お酒、ストレスなどが原因と考えられていて、上記で述べた交感神経優位で増加する顆粒球が増える事で生まれる活性酸素も大きな原因となります。活性酸素が悪玉コレステロールと結びつき酸化悪玉コレステロールとなる事で血管壁を分厚くして血の巡りが悪くなるのです。
さらに、ここから厚くなった血管壁の一部分がはがれて血栓となって体のあちこちに飛んでしまうという恐ろしい事にもなりかねません。これが脳血管疾患に繋がることも往々にしてあります。

以前働いていた病院でお年寄りの脳のMRI画像を見る事がありました。
脳がなんとなくぼんやり白く写っていたことを覚えています。医師がいうに、血の巡りが悪くなって脳への血流量が少なくなるとそのように映るのだとか。程度の差はあれどこれを慢性脳虚血性変化といいます。

血を出さずに刺絡の効果を出すという「無血刺絡療法」の創始者である医師の長田裕先生がおっしゃるには、適切な急所にチクチク刺激を加える事で副交感神経が優位になり血管が拡張するという副交感反応を得ることが出来る、と。そして、認知症患者様に対して無血刺絡を行ったことで5人中4人が長谷川式知能テストで21点以上(正常)の判定が出たと著書で記しています。※長田裕先生著書 チクチク療法の臨床より抜粋。

このように、様々な現代病には血の巡りの悪さと自律神経が関与しているということと、瘀血を出して自律神経に働きかける事でそれらを予防もしくは症状緩和の方向へ(病症による)持って行くことが出来るのではないかと私は思っています。

上の項でも書きましたが、もう一度書きます。様々な施術法で瘀血を散らす事は出来ても、適切な箇所から瘀血を出すことが出来るのは「刺絡」しかありません。

何らかの不調でお悩みの方、もしくは健康を維持していきたい方は一度「刺絡」を受けてみてはいかがでしょうか。

瘀血を出す唯一の方法刺絡。瘀血を出すという施術方針。

上記の写真はちょっとショッキングな画像ですが、これでだいたい3gくらいです。これで約10個くらい行ったとしても出血量は30g以下です。医師が行う瀉血の場合は「多血症」により増えすぎた赤血球を血栓形成防止などの目的で減らすために静脈から300~400㏄の血を注射器で定期的に出しますが、鍼灸師が行う刺絡は瘀血が溜っている毛細血管や結合組織の間を特殊な鍼で狙っていきますので、出血量も狙う血管も使う針も深さも刺絡を行う理由も全く異なるのです。

刺絡療法は、歴とした東洋医学的見地に基づき行う鍼術の一つです。
最近では、西洋医学的にも井穴という指先の刺絡で使う急所や背部兪穴という背中にある背骨近くの急所に刺激を与えると自律神経に影響を与える事ができるという効果があると脳外科の医師も認めています。

僕はこれまで、「千住の名倉」の流れを汲む鍼灸整骨院、大手エステサロン、有名な某大学病院出身の医師が営む整形外科で医師の診察補助など様々な臨床経験を積んできました。

その中で、患者様の症状が変わらないものは何をやっても変わらないという事を何度も味わってきました。薬、注射、電気、マッサージ、関節矯正、鍼、灸あらゆる療法を用いても変わらないものは変わらないと思っていました。
…もっとも、経年的変化からくる関節の変形とか、内臓、神経系の器質的な異常、非可逆的な変性が起きていてどうにも変化しようもないものもあるのは確かです。

しかし、自分で開業して刺絡療法を本格的に行うようになってからは、改善できる症状の幅が広がったと感じています。

刺絡療法は、WHOで認められている決められた経穴を狙い特殊な鍼を打ち、溜った血が出た分だけ出すという療法です。
鍼灸師といえど昨日今日でいきなり出来るものではなく、刺絡の経験を多数積んできた人間でなければ難しい療法ともいえるでしょう。

当院では年間数百回以上刺絡を行ってきており、豊富な経験と実績、臨床症例があります。

あらゆる病気、不調の源の一つは「交感神経の害」という考え方があります。緊張状態の神経が常に優位になる事で血流不足、内臓運動低下、リンパ球の低下を招き、痛みや免疫力の低下を招くのです。これらは主に、働きすぎ、人間関係などいわゆるストレスが大きく関係しています。

もう一つは、「瘀血」にあるともいわれます。現代社会では食べ物が豊富にある飽食の時代です。しかし、それにより不必要なものや質の悪い油、マイクロプラスチックなども少なからず食べてしまっているわけです。それらがやがて血となり肉となる事でそのうちなんらかの不調やトラブルが往々にして現れるものです。これに関しては食生活や日々の生活習慣が大きく関与している事は言うまでもありません。

その他、遺伝的素因や持病など様々な因子もあることは確かですが、刺絡を行うことで自律神経を整え、定期的に瘀血を出すことで、自律神経と瘀血由来の様々な不調を退ける事が大いに期待できるのではないかと私は考えています。

痛みや傷跡についてと注意事項。

施術時の痛みはほぼありません。
(※しかし、施術後しばらくは多少なりとも鍼を打った箇所がチクチクしたり、カッピングを付けた部位が筋肉痛のようになる場合があります。)
スプリングが入った特殊な鍼を使い、一瞬で皮膚を1〜2ミリ程際刺します。一秒もかかりません。
その後、左の写真のようなガラスのカップを用いて皮下1、2ミリの部分から血を出します。

アルコールを含ませた綿花を燃やし、火でガラスのカップの中を真空にします。そして即座に皮膚の上に載せます。全然熱くなく、カップ内が陰圧になり皮膚を強烈に吸い上げます。
それにより瘀血を出すのです。※最近では火を使わずにチューブで陰圧にする方法としている。

施術後は鍼によりついた点のような小さな傷と、吸角(ガラスのカップ)によりついた内出血の跡はしばらく残ります。これらは通常約1週間、恐らく3週間もすれば完全に消えるでしょう。

皮膚の薄いところに吸角を行うと水泡形成が起きる可能性が極めて高いです。そのような箇所には絶対に吸角を行いません。長時間の吸引も水泡形成を招く要因になります。

水泡形成はやけどではない限り基本的に消えます。しかし、衛生上よくありません。水泡が破れて感染症を引き起こす可能性もあります。なので当院では努めてお肌への接触の際は留意しております。

※身体がとても弱っている、バイタルが不安定、当日お酒を飲んでいる、消耗性疾患にかかっている、血液をサラサラにする薬を飲んでいる、何らかの感染症をお持ちの方などは刺絡療法をお受けになれません。

何に効果があるのか?

上記でも触れましたが、刺絡は自律神経を調整し、瘀血を出す療法です。

自律神経とは交感神経、副交感神経の二つからなり、簡単に言うとオン、オフの神経です。
仕事中や、クマと戦う時、全力で走って逃げる時、なんらかのストレスがかかっているONの状態が交感神経優位の状態です。
逆に、寝る前とか休んでいる時、OFFの状態が副交感神経優位の状態です。副交感神経が優位になる事で血管拡張、内臓運動活性化、免疫力アップ(リンパ球の増加)、血圧脈拍減弱などの変化が身体に起きます。

交感神経、副交感神経この二つからなる自律神経のバランスが崩れることにより、様々な痛みや症状が出やすくなるのです。
なので、刺絡療法を行うことにより高まっている神経を下げて症状を緩和させる、または弱くなっている神経を高まらせて症状を緩和させるというように、身体にとってよい方向に自律神経を導いていきます。自律神経を中庸に戻すわけですが、基本的には副交感神経が優位になるように持っていきます。

「交感神経の害」と言って大きく分けて三つの悪いことが起きます。
1つは、交感神経が優位になると血管が収縮して血の巡りが悪くなり血圧脈拍が高くなります。これにより循環器系に負担がかかります。血流が悪くなると血管の内側の血管壁から内因性発痛物質という痛みの物質が出やすくなりますので痛みや重だるさなどの症状が出ます。

2つめは交感神経が優位になる事で内臓の動きが悪くなります。これにより消化吸収、排出などに良くない影響を与えます。

3つめは血液に含まれる白血球内のバランスが悪くなります。顆粒球が増えてリンパ球が減ります。顆粒球が増えると活性酸素がその分多くなり、胃腸粘膜を傷つけたり悪玉コレステロールとくっ付くことで血管内にプラークを形成しやすくなり動脈硬化を招く礎ともなりえます。
リンパ球が減るというのは簡単に言うと免疫力が下がるという事です。

なので、メリハリは大切ですが基本的にはリラックスの副交感神経が優位でいる事が望ましいのです。
背骨や爪の付け根などに刺激を加えると人間の身体は副交感神経が優位になりやすいという反射があります。刺絡はそれを利用して体を良い状態に持っていくという療法なのです。

当院で刺絡療法により改善が見られた症例の一部。

ぎっくり腰、寝違え、高血圧、アトピーによる痒み、強い花粉症症状、経過観察と言われた腎結石や胆石による痛み、ひどい肩こり、慢性的な腰痛、風邪で声が出ない、原因不明の強い全身の痒み、自律神経の乱れ、頭痛、腱板損傷による肩の可動時痛、50肩、変形性股関節症による股関節の痛み、不眠、頻尿、経過観察と言われた三叉神経痛、片頭痛、アトピーによる強い痒み、指先の強張り、腱鞘炎、胃の不全麻痺及び機能性ディプシアと診断された胃腸の不快感と痛み、

などです。

気になる症状がありましたら気軽にご相談下さい。

時間と料金。

初回のみ初診料1500円+施術料13200円~ 時間は60分です。(税込)

その他、お顔の鍼や、足裏マッサージなどを加えるなど内容により料金と時間が変わります。