「ピアノ練習」と臨床家としての理想像について。
2021年11月頃より、ショパンコンクールに影響を受けてピアノを始めました。正確には、約27年のブランクを経て再開しました。目標は、ショパン作曲「ポロネーズ第6番変イ長調作品53番」とリスト作曲「愛の夢 第三番」の2曲が弾けるようになる事です。
「ポロネーズ第6番」は「勝利」を表し「人に勇気を与える」曲だと解説を聴いたことがあります。そして「愛の夢」は「愛の賛歌」であると。
私の臨床家としての理想像であり目標は、「愛と慈しみ」の気持ちを強く持って患者様に寄り添い、施術を通して患者様に「勇気を与える」事ができる人物になる事です。
患者様は何らかの不調を抱えて来院されます。その不調のために「明日無事に過ごせるだろうか…」「今週は凌げても来週はどうだろうか…」「いつまで辛いのだろうか」と、不安を持っています。特に、難治性症状や骨折など治癒に時間がかかる症状の場合はより強く不安を感じるでしょう。
施術により、痛みや不調を即座に追い払う事が出来る場合もあります。その理論と技術を日々磨くという「施術の力」を養う事は言わずもがな重要ですが、患者様の辛い症状に向き合い、寄り添い、共に乗り越えていくという「心の力」を日々磨く事も大切な要素であると私は考えています。特に、「大丈夫、必ずこの窮地を乗り越えられる。心にその力が湧いてきた」と患者様に思ってもらえるように、不調を乗り越える「力と勇気」を与える事ができる臨床家になりたいと私は考えています。
人に「勇気」を与えるというのは誰彼出来るものではないでしょう。それに、「勇気を与える」という言葉も抽象的な表現であり、何を持って完成とするかの正解もあるようでないです。ですが、これは私の臨床家人生をかけた生涯にわたっての課題であり、使命であると思っています。その気持ちを忘れないように、少しでも理想に近づけるように、自分を鼓舞するために「ポロネーズ第6番」と「愛の夢 第3番」を毎日練習しているのです。
それと同時に、当院ではあらゆる「動かすと痛い」という症状緩和の手技を専門に行っています。現に、ピアノを弾かれて指が痛んだという患者様にもお越し頂いています。その中で、自分自身もピアノに携わり、特に難曲に挑むことでどのように身体に負荷が掛るかを知り、その対処法を自分自身の体で直に試し、施術にフィードバックすることができます。これに関しては他の運動器専門の臨床家とは一線を画す部分であると言えるでしょう。
是非、ピアノを弾いていて手指や首肩など何らかのトラブルをお持ちの方は当院へお越しください。
※ピアノ練習と難曲習得のための過程をブログに記しています。よかったらご覧下さい。
ボルダリング、クライマーの方を応援しています。
2019年3月にボルダリング始めました。
ボルダリングは人それぞれ様々な箇所に負荷がかかります。
主に、「たくさん使う部位」「弱い部位」「特殊な使い方をしている部位」です。
私はぎっくり腰や寝違いなどあらゆる「動かすと痛い」症状改善の手技を長年研究、実践し、効果を出してきたという実績があります。
それらのノウハウを生かして、ボルダリングをやられている方のお身体のケアに生かせればと思っております。
どこかお身体に不調があるあらゆる方は運動時痛専門の当院へ是非お越しください。
筋肉、血管、神経、関節、体軸、自律神経、経絡、内臓など様々な角度からお身体を診させて頂きます。
手指の曲げ伸ばし時の痛みと、これ以上関節が曲がらないという可動域制限。
手指はボルダリングでの痛みや症状で恐らく一番多いのではないかと思う箇所です。
腱鞘炎や腱炎による運動時痛、関節の変形による可動域制限など。
指の筋をたくさん使えば使うほど、細い腱とそれを通る腱鞘との間で摩擦が生じて腱鞘部分にて炎症が起こります。それにより指を動かした時に痛む症状を腱鞘炎と言います。
それを更に使い続けると腱鞘が肥厚して腱をロックしてしまい、ばね指になる可能性があります。ばね指になると指の痛みの他に指の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなります。
ばね指にならなくても、関節部分に多大なる負荷が長期的に加わる事で関節の変形を起こします。まず、指の骨と骨の間にあるクッションの役割である軟骨がすり減ります。次に、関節部分の骨が変形し始めます。これにより関節が正常の状態ではなくなり、可動域一杯に曲げる事が出来なくなってしまいます。
腱鞘炎や腱炎など、使い過ぎで手の筋腱が痛い、可動時痛はあるけど可動域制限はないという場合は、手を休ませて適切なケアをする必要があります。
手を休ませて炎症を引かせ、痛んだ組織が回復するのを待たずにまた強い負荷をかけるからどんどん症状が進行するのです。
少し痛い程度ならある程度我慢して登ってもいいかもしれませんが、指を曲げる時や痛む部位を押したりすると結構痛い場合は登る頻度と日数を落として、安静にするべきです。
さてそのような指の症状に対しての施術方法ですが、主に「超音波治療」と「無血刺絡療法」を行います。
超音波は一秒間に100万回以上の微細な振動を細胞レベルで痛んだ組織に与えて、痛みの緩和、損傷個所の早期回復を促す効果があります。
無血刺絡療法も行っていきます。これは何かというと簡単に言うと自律神経に作用させて血流促進を促す療法です。
長期的に負荷がかかっていて慢性的に痛い症状がある場合、その部位は「慢性的な血流不足」と「慢性的な細胞レベルでの脱水」が起こっています。血流不足が生じると、血管壁から内因性発痛物質が生じて痛みを引き起こす原因となります。なので、ピンポイント刺激を加えて血管を拡張させて発痛物質を散らしていきます。そのような反応を得るには「お風呂で温める」ではだめで、ピンポイントで痛圧刺激を加える必要があります。
これらを行うことにより、指の曲げ伸ばし時の痛みが軽減もしくはほぼ感じないというようにおっしゃって頂けることが非常に多いです。
関節の可動域制限がある場合も基本的に行うことは同じです。こちらは、指の筋腱が硬くなっていたり関節部分での血流不良で曲がりにくくなっている場合は効果が見込めますが、関節の変形が起こっている状態まで病態が進んでいますと完全に可動域一杯まで曲げ伸ばしが出来るようになるところまで持っていくのは時間と根気が必要になり、関節の変形具合によっては完全にはくっつかない場合もあります。非可逆的な変性が起こっている組織を元に戻すのは不可能に近いのです。しかし、ある程度の所まで曲げ伸ばしが出来るように持っていくことは出来ると思います。
あとは、日常生活においてのセルフケアを行って頂きます。それ専用のアイテムがありますのでそちらを使っていただきます。
右下の写真のアイテムですが、指全体を包んで無数の尖ったゴムの粒粒で刺激していきます。指の細かい血管と神経に刺激を加える事で血流促進、痛む神経の鎮静化の効果が見込めます。こちらは、加齢による指の変形性関節症の痛み、末梢神経傷害による痛みやしびれ、リウマチの関節破壊による痛みなどにおいて症状が緩和されたという症例も多数あります。
ヒールフックの際に痛む臀部の症状。その他、腰を捻ると痛い場合。
「ヒールフック」の際に臀部が痛むという症状があります。
ヒールフックの動きと言うのは、股関節「外転」「外旋」下腿「外旋」足関節「屈曲」「外旋」です。※個人差や状況によって多少は異なるかもしれませんが。
基本的に、下肢全体に「外旋」の動きが大きく加わります。なので、この動きで臀部もしくは別のどこかが痛む場合は、内側の筋肉を緩めると共に全体的に「外旋」方向にテンションをかけていく必要があります。まずは、表面の筋肉、それを覆う筋膜、皮膚に外旋方向に外力をかけていきます。これだけでも外旋方向の筋、筋膜が緩むので動きがスムーズになってヒールフックの動きが楽になる場合もありますが、症状の根が深い場合は臀部と腰部を調整していく必要があります。
外へ捻る動きを「外旋」と言いますが、これで痛いのならば逆に内に捻る「内旋」動作をおこなってもらいます。あえて痛む動きの反対動作である「内旋」を行うと同時に、臀部に「等尺性収縮」をかけていきます。
これは「俺式然等尺性収縮」といって僕が考えたアプローチ法です。
等尺性収縮のメリットは、痛くて動かすことが出来ない時に関節運動なしで深層の筋肉に働きかける事が出来るという事と、通常の筋肉運動よりも強い負荷を筋肉にかけることが出来るという事です。
強い負荷をかけるという事は強く筋収縮を起こすことが出来るという事です。これを何度か行うことで筋肉の収縮弛緩を繰り返し、深部の筋肉の血流が良くなります。それにより、内因性発痛物質が散って痛みが緩和したり、筋肉が温まって柔らかくなることで周辺の筋との滑走障害が取り除かれて動きがスムーズになるという効果が見込めます。
そこからどの動きでどこが突っ張るか、どこが痛むかを見ていって必要な箇所を緩めつつ腰部に施術していきます。
臀部や大腿部、下腿など下肢を支配する神経の大元は腰です。なので、痛む部位と関連した神経支配領域の神経の出口とそれに順ずる急所に対して「無血刺絡」のアプローチを行っていきます。神経的な側面から疼痛治療を行う時は、痛む部位と、そこを支配する大元の神経の出口を刺激することは必須です。
そして、臀部や下肢の痛みや不調がある場合、腰にも何らかの症状があることが多いです。
腰の前後屈、左右回旋、左右側屈の内なにかの動きで痛みや重だるさ、筋肉の突っ張り感が出る事があります。
特に腰部の回旋時痛がある場合は、臀部の筋肉の状態が非常に大きく関わってきます。
中殿筋、大殿筋などが硬くなることにより上殿皮神経という腰骨から臀部に向かって伸びている割と広範囲で大きな神経に負荷がかかってその神経と関連した箇所である腰部に痛みが出るのです。
そのような場合は、殿部の筋肉の硬結部位を緩めながら腰の回旋動作を行って頂きます。適切な急所を手で押えておくと、動かした時の痛みが軽減もしくは消失します。動かしながら急所を刺激して緩める事により、身体、脳、神経がより痛む動きや部位を意識し、痛みの早期改善、再発防止に効果が期待できます。
下が↓上殿皮神経の図です。
シューズをはいた際に足の親指が痛い…。
これはボルダリングを初めて間もないころ僕自身が経験した痛みの症状です。
要は、攻めたシューズを履いていたんですね。シューズのつま先部分が下に下がって尚且つ内側に曲がっている状態なのです。
なので、長母指伸筋に屈曲力が強制的に働き、さらにボールドに足をかけて踏ん張ったりすると余計に長母指伸筋に負荷がかかる。これをずっと続けていると長母指伸筋腱が痛んで炎症を起こします。
このような症状の場合は、
①登っていない時はとにかくシューズを脱いでおくこと。②慣れること。③損傷個所をテーピングで守る事。④登る回数を減らす事。➄シューズを選びなおす事。⑥セルフケアをすること。などが重要です。
更に、痛みに左右差がある場合もあります。右の親指は痛いけど左は痛くない、もしくはその逆。そのような時は、足の長さが左右で違っていて、物理的に長い方の親指がつま先に当たって痛いという可能性も大いにあります。僕は右の足の長さが0,5センチ弱左に比べて長かったです。
足以外にも、シューズの作りが左右で若干違っていて小さい作りの方のシューズが足に当たって痛い場合もあるでしょうし、生まれつきや以前の怪我などの影響で足の骨の指の長さが左右で異なっているという理由も考えられます。
しかし、シューズは問題なくて、足の骨の長さも左右でほぼ同じ。なのに左右で比べると痛い足の方の親指が少しだけ長い。これは一体どういうことかと言うと、痛む足、すなわち長い足の方の土踏まず(内側アーチ)が痛くない方と比べて下がっている可能性があります。普段の足の使い方や効き足、仕事やクセなどで左右の足のアーチで高低差が生まれる場合があります。
僕はちなみに痛む右足のアーチが低かったです…。
後脛骨筋を鍛えてアーチを高くするという方法もあります。詳しくはこちらをご覧ください。↓
その他、肩の痛みや背中、膝の不調など、どの部位でもお気軽にご相談下さい。
施術時間と料金と内容について。
施術料金
指や膝など一部位なら約4400円~
半身6600円
全身13200円
※初回のみ初診料が別途1500円、最終来院日から半年経過で再診料1500円申し受けます。
急な怪我の場合は一部健康保険も適用できます。その場合は、マッサージと体軸調整、電気治療器のみで一回当たりの施術料が約3500円~です。鍼治療や吸角療法などは別料金となります。