首にネギを巻くと何の効果があるのか?

長ネギは独特で刺激的な臭いがあります。実はその臭いは、収穫する前にはなく、収穫と調理の際に切る、すなわちネギの細胞を傷つける事で臭いを発するのです。

細胞を傷つけると辛みと臭いを発する。

長ネギの細胞の中にはイソアリンというアミノ酸と、アリイナーゼという酵素があります。

細胞が傷つけられるとこの二つが結合してイソアリシンというアミノ酸になります。これがネギの辛み成分です。
そしてイソアリシンがその後、20度以上の温度下に置かれる事で硫化プロペニルという物質に変化するのですが、この硫化プロペニルこそがネギの臭いの正体なのです。
つまり、ネギを切っても20度以下を保っていれば基本的に臭いはしないのです。

自らを守るために刺激臭と辛みを発する。

細胞が傷つけられると刺激臭と辛み成分を出す理由は、自らを食べようとする虫を追い払うためです。
ネギは白い部分と緑の部分がありますが、白い部分は緑の部分よりも辛み成分が約2倍も含まれています。
そして、長ネギは根元が根っこで、その上の少しの部分のみが茎で、それ以外の白い部分から上の緑の部分まで全てが葉っぱなのです。

長ネギの白い部分は葉っぱ。

白い部分が葉っぱであるというのは解せないと思う方も多いとおもいます。なぜそうなるかというと、ネギが育ってきて少し上に伸びた(白い部分が出てきた)ら土寄せと言って土で白い部分を覆います。すると、白い部分は太陽の光に当たろうとして上に伸びます。そしたらまた土寄せを行い、というのを繰り返していくと必然的に白い部分がどんどん伸びていき、最終的に比率としては緑3対白7くらいになるのです。

人為的な土寄せで今の長ネギに育つ。

なので、人間が土寄せを行わなければ緑の部分が8割くらいの長ネギになります。
ちなみに、ネギは上に伸びるようで、実際は地面の中を下に下に伸ばしていきます。土の中にもネギを食べようとする害虫がいますが、それも前述の通り臭いと辛みで追い払うのです。

長ネギの臭い成分と人体。

臭い成分である、硫化プロペニルは人間の鼻から嗅上皮を通じて脳に入る事で、交感神経が優位になりアドレナリンが分泌されます。それにより体温が上がって脂肪燃焼効果も高まると共に、免疫細胞も活性化するのです。
そして先に紹介した、辛み成分であるイソアリシンはウイルスや病原菌の繁殖を抑える効果もあります。
「風邪を引いた時にネギを首に巻けばいい」という民間療法は、単なる迷信ではないのです。

臭いを消す方法。

ネギを食べたあとの臭いを消すにはいくつかの食材があります。まずはヨーグルトです。ヨーグルトに含まれる乳脂肪が、ネギの臭い成分である硫化プロペニルを包み込むのです。
次はリンゴ酢です。りんごポリフェノールが残った硫化プロペニルを臭いの少ない物質に変化させるのです。
よって、ネギの臭いが気になるならばヨーグルトとリンゴ酢を摂取するすれば理屈的に臭いが抑える事ができます。

ネギのぬるぬる

ネギの緑の部分の中にあるぬるぬるは、「ぬる」といいます。このぬるの中にはフラクタンという糖分が入っていて、それのおかげで寒冷地や0℃以下の環境でも凍らないで生きる事ができるのです。
そして、ぬるには食物繊維も豊富にあり、唾液や胃液で分解されないので腸に届き、ビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌の餌になり腸内環境を整えてくれるのです。
ぬるは加熱しても効果は持続します。生で食べにくければ火を通す事で食べやすくなります。