アルツハイマー型認知症とアミロイドβ。

厚生労働省の推計による認知症罹患者数は、2040年に584万人です。
高齢者のおよそ15%、6〜7人に1人が認知症という事です。

アルツハイマー認知症

認知症の6割は、アルツハイマーが原因で起きるタイプです。
アルツハイマーは、脳内にアミロイドβという異形タンパク質が溜まる病気です。
アミロイドβがたくさん蓄積すると、脳神経細胞が消失して、記憶を司る部位も含めて脳が萎縮します。
それにより、記憶障害が主に起こります。

アミロイドβ

加齢により脳にたまりやすいタンパク質です。
これは、誰の脳にも作られるものです。
本来は分解、排出されて過剰になる事はありません。
ですが、加齢の影響などで分解されず溜まっていく事があるのです。
アミロイドβが溜まりはじめてもすぐに症状が出るわけではありません。
気になる症状があるかどうかがポイントなのです

物忘れ

同じ話をする。
新しい事を覚える事が難しい。
日常生活で人の目や手を借りる必要がある。
これらの症状が見られたら認知症の可能性が高いです。

アルツハイマー病の進行

正常

MCI軽度認知障害

認知症軽度

認知症重度
日常生活が自立していればMCIです。
日常生活の自立が困難であれば認知症です。
物忘れなどの症状がでてきたら物忘れ外来を受診してください。

認知症の検査

長谷川式、MMSEなどがありますが、最近ではMMSEが主体です。

MMSE

今日の日付を言えるか。
質問者が言った複数の単語を覚えているか。
目の前に出された図形と同じものを描けるか。
など。
30点満点です。点数とどこで失点したかで認知機能低下の度合いや種類を客観的に確認できます。

厚労省の全国検査

2024年、60歳以上の方を対象に認知症、MCI疑いの人たちに医療機関の受診を勧めました。
しかし、そのうちで7%の人しか受診しませんでした。

なぜ受診しないのか?

健康に自信がある。
面倒。
忘れていた。
もし診断されたら怖い。
など。

アルツハイマー病の薬

(コリンエステラーぜ阻害薬)
ドネペジル
ガランタミン
リバスチグミン
(NMDA受容体拮抗薬)
メマンチン
(抗アミロイドβ抗体薬)
レカネマブ
ドナネマブ

レカネマブとドナネマブの違い

どちらもアミロイドβを除去し、神経細胞の消失を防ぎます。
(レカネマブ)は、アミロイドβが凝集してプラーク(老人班)になる前段階の物質に結合して除去します。
進行抑制効果は27%です。
2週に1回の点滴を18ヶ月間。
(ドナネマブ)は、アミロイドβが凝集したプラーク(老人班)に結合し、いわば親玉を除去します。
進行抑制効果は29%です。
4週に1回の点滴を18ヶ月間。
アミロイドβが除去できたら終了です。

対象者

①MMSEで22点以上でレカネマブ、20〜28点以下でドナネマブ。
②CDRで0.5または1。
③本人の希望あり。
④PET及び脳脊髄液検査で脳にアミロイドβ確認。
⑤軽度認知機能障害と早期の認知症の方。
⑥脳MRI検査で安全に薬が使える状態か確認。
これはの条件に当てはまれば治療を受けれます。

治療の考え方

現時点では、完全に治す事はできません。
そのため、少しでも発症を遅らせる、症状を軽くする事が目的です。

非薬物療法

アミロイドβが脳に蓄積しても、アルツハイマーを発症しない人もいます。
脳のレジリエンスが大切なのです。
脳のレジリエンスとは変化に対応できるということでます。
囲碁、将棋、人のコミュニティ、栄養ある食事など、とにかく脳を遣う事が重要です。

慢性急性の症状には、鍼や刺絡が効果的な場合もあります。

お辛い方は神楽坂東五軒町鍼灸整骨院へ。