ゲームによる脳疲労と集中力低下。

少し前にゲームソフトを買った。

ハリーポッターという魔法使いの世界を忠実に再現した「ホグワーツレガシー」なるソフト。

このゲームの製作には原作者であるJKローリングと、映画配給会社ワーナーブラザーズが関わっている。

そのため、ゲーム内の環境などが細部にわたって良く作り込まれていて、ドはまりしてしまった。

ひどい時は一日に5時間以上プレイする日もあった。

そんな日々が2週間くらい続いたあたりから異変が起きた。

ゲームを長時間することの弊害

毎日長時間ゲームをプレイする事による弊害は、眼精疲労、肩凝り、頭痛、寝不足もさることながら、自分自身まず文章がうまく書けなくなったと感じた。

以前から回りくどく読みにくい文を書いていたがより一層、話が散らばってまとまりを欠いたものとなったのだ。

次に、会話も順序だててオチに持っていくまでの段取りというか、話の組み立てが下手になった。

そして極めつけは、ピアノ演奏における巧緻動作が苦手になった。

5~7分の演奏が持たない。

10本の指の制御が上手くいかず、ミスタッチの連続がやる気を削ぐ。

ミスをリカバリーするためのパッションというか、集中力が圧倒的に不足しているような感覚を覚えた。

脳疲労による集中力の低下

これらに共通するのは脳疲労による「集中力の低下」だ。

当たり前だがゲームには中毒性があり、脳を疲れさせる要素を多分に秘めている。

特に、たて、よこ、奥行きからなる三次元のデジタル情報を、視覚を通じて脳が処理する過程において大きな負荷が発生しているのではないかと思う。

というのも最近のゲームは、オープンワールドといって360度全方位見渡す事ができ、常時アングルを自分で調整しながら見たいものを見て進んでいくというものが多い。

螺旋階段の上り下り、戦闘、暗くて狭く分かりにくい洞窟内の探索や、謎解きなどのシチュエーションはカメラアングルが特に難しく、それを追うだけで目が疲れる。

パソコンで文章を打ったり、表計算などのデスクワークは基本的に2次元だ。

これだけでも長く続くとそこそこ身体も脳も疲れる。

だが、同じ時間でも2次元より3次元の情報処理の方が脳と身体はより疲れるのではないだろうか?

長時間3次元空間内で、慣れないアングル調整をしながらシナリオを進行するというタスクが、脳にかなりの負荷を掛けている可能性は高い。

高度なCPUとGPUを搭載した最先端のゲーム機器による3次元空間の操作と認識に、我々人類の脳はまだ追い付いていないのだろう。

加えて、ゲームのワクワク感や脳の報酬系により疲労がマスキングされて覚醒状態となるため、身体も脳も慢性疲労に陥りやすくなる事は言うまでもない。

集中力と文明

深い思考や巧緻動作の持続には、高い集中力が必要となる。

脳内では複数のセクションを神経ネットワークで結んで、多角的に情報処理しながら推論を行う。

人類が織りなすあらゆる高度な文明活動は、高い集中力により支えられているといっても過言ではない。

美しく頑丈な建造物、素晴らしい美術品や文学作品などを生み出すには片手間では無理だ。

高い集中力という「土台」があるからこそ脳は伸び伸びと思考や演算、表現、運動のコントロールなどができる。

「土台」がなければ思考と注意が分散してシングルタスクに集中できずパフォーマンスが落ちる事で、結果は浅く不完全なものとなるであろう。

表現したいものの大きさや深さによって、思考のエネルギーが分散しないようつなぎとめる集中力の密度というか量が必要だ。

「集中力が少ない状態」とは、寝不足もしくはお酒を飲んでマルチタスクしながらトランプの神経衰弱をするようなものだと思う。

人工的な情報の数々

とかく現代は情報量が多すぎる。

好むと好まざると、様々な情報が脳に入り込んで勝手に処理が行われる。

デジタルでない情報も同様だ。

例えば、まっすぐな直線や完璧な円で構成される標識や模様、赤、青、黄色などの決まった色、言語の表記など。

これらは別にデジタルでなくても「人が作った情報」だ。

自然界には真っすぐな線や完璧な円、人工的な色、言葉、文字や記号はない。

見たままを正確に言葉で伝えるのは難しい、複雑なものであふれている。

逆に言うと、現代の人工的な情報は分かりやすすぎる。

それゆえに自然と脳が情報として認知認識するため、たとえデジタルスクリーンを見ずとも脳疲労は起きやすいのではないか。

明朝体やゴシック体で書かれた数字や記号、文字が至る所に散りばめられた部屋を想像してみて欲しい。

そんな中にいたら何もしなくてもきっと疲れるだろう。

人工的な情報のデトックス

雑多な情報を排除して脳を休ませるには、デジタルデトックスではたぶん足りない。

上記の通り、文字や記号、色、言葉、音など出来る限りすべての人工的な情報は排除すべきだ。

脳をクリーンアップしてメモリの空きを増やすには、感覚の遮断が手っ取り早いと思う。

簡単にいうと目と耳を閉じる事。

何も見ない何も聞かない状態になるのだ。

これだけで脳への新たな情報流入を大幅に減らす事が出来る。

ゲームの熱中は「飢えと渇き」をマスキングできるか

ゲーム実況配信者など、最先端のデジタルコンテンツを長時間毎日行っても、身体や感覚に影響がない人もいる。

それは、デジタル空間に適応した選ばれし人類なのか、本当は何らかのマイナス影響が出ているけど気付いていないだけなのかは分からないが、デジタル疲れには個人差があるようだ。

ただ、一つ言える事は最近のゲームはいい意味でも悪い意味でもヤバい(笑)

面白過ぎる。

そのうち、飢え、渇き、をマスキングするレベルで熱中できるゲーム機とソフトが出来そうな気がする。…もうあるかも。

しかし、疲労に加えて飢え、渇きすらもマスキングし、中毒性があるならそれ即ち「覚せい剤」と一緒だ。

「ゲームとテクノロジーの発展」は同時に「倫理と人類科学」の抱き合わせで進む必要がある。

面白くて売れればいいわけでは決してない。

追伸

現時点でゲームをやめて1週間になる。

書いた後にこのブログを読み返してみると、どこかの施設に対して書かれた陰険なグーグルマップ低評価コメントのようなひどい文章だ(笑)

脳疲労のリカバリーと思考力の回復にはもう少し時間がかかるかもしれない。