パニック障害とは、2回以上のパニック発作を経験し再発の不安や過度な行動制限で日常生活に支障がある状態を指します。
日本国内で1年間にパニック症を経験する人の割合は0.5%です。
※パニック症の診療ガイドライン(日本不安症学会/日本神経精神薬理学会)
発作と恐怖
パニック発作は、突然強い恐怖感や激しい不快感に襲われ冷や汗、同期、心拍数の上昇などが起こります。
前触れがなく発作が起きますが、数分でピークに達して15分ほどで収まります。
自分でも制御できない発作が起きると、命が失われるのではないかという、とても強い恐怖を感じます。
救急病院に運ばれたとしても、心電図や血液検査で異常がないためすぐに帰されてしまいます。
感染症や内臓の病気などではないため、パニック発作で命を落とすことはありません。
セルフチェック
①動悸
②冷や汗
③震え
④息切れ
⑤窒息しそうな息苦しさ
⑥胸の不快感
⑦吐き気
⑧めまいやふらつき
⑨悪寒やのぼせ
⑩痺れ
⑪現実感のなさ
⑫気が変になるかもという恐怖
⑬死んでしまうかもという恐怖
この中で4つ以上あてはまるなるば、パニック障害の可能性が高いです。
広場恐怖
乗り物などすぐに降りられない場所や助けてもらえない状況に強い不安を感じる恐怖症です。
1人になること自体が辛く、急に逃げられない場所にいることに強い不安感を抱く事もあります。
不安を感じる場所が状況を避けるようにしたり、そこにいること自体に過度の辛さを感じるのです。
安心できる同伴者が必要です。
なぜパニックが起きるのか?
一言で言うと、脳のシステムエラーにより起きているのです
人間の脳の本能を司る領域には、危険や不安を伝える扁桃体があります。
パニック障害の方の脳は通常時でも過度に扁桃体が活性化しやすい状態なのです。
通常ならば理性脳である前頭前野が落ち着かせる役目を持っています。
しかし、パニック状態では前頭前野の抑制が効きにくく、身の危険はないのに緊張や不安が継続してしまうのです。
薬物療法
一般的には抗うつ薬であるSSRIが使われます
これは選択的セロトニン再取り込み阻害薬といって、脳内に分泌されたセロトニンが取り込まれるのを防ぐ効果があります。
セロトニンは精神を安定させる働きがあり、ノルアドレナリンは興奮させる働きがあります。
パニック発作はセロトニンとノルアドレナリンのバランスが崩れる事でも起こります。
そのため、薬で常に一定割合のセロトニンが脳内にある状態を作り出すのです。
SSRIの副作用は吐き気、眠気、性機能障害、体重増加などです。
SSRIの効果が現れるまで2週間程度かかります。ベンゾジアゼピン系の抗不安薬も使われます。
こちらはSSRIより早く効果がでますが、ふらつきや依存症などの副作用があるため、長期間使用は推奨されていません。
認知行動療法
不安とは、精神症状の他に身体症状もある事をいいます。
パニック障害の方でなくとも、人前に立つと緊張して汗をかいたり手が震える人もいます。
パニック症の人は「不安によるなんらかの身体症状」を認識すると、それが命の危機のように過度な恐怖と捉えてしまうのです。
これをまずは理解する必要があります。
内部から外部に目をむける。
この「身体症状を認知する」というのは、身体の中で何が起きてるのかを把握する感覚が高すぎるのです。
身体の中で何が起きてるかの感覚を「内部感覚」といいます。
意識を内部感覚から外部に移す訓練をせねばなりません。
内部感覚が働きそうな時に、その鋭敏なセンサーを外に向けて、別の事に集中するのです。
「過度に内部感覚を高め、身体の変化に注意を払う必要はない」事を自分で自分を再教育する必要があります。
小さな目標から自信をつける。
他にも、大きな目標を立てて、段階的にクリアして自信をつけるのも一つです。
例えば、遠くに旅行するという大きな目標をたてたら、まずは電車に乗って一つ先の駅で降りてみるのです。
これができたらもう一つ先で降りてみるなど、少しずつハードルを上げていくのです。
これを続けるうちに自信がついてきて、「自分はできたのだ」という経験を脳に上書き保存していくのです。
パニック発作を抑えるのは不可能ではない。
折れた骨が変にくっ付いたらそれは2度と元には戻らず、自然治癒もしません。
ですが、脳の中で起きてる過度な働きを鎮めて最適化を図るならば決して不可能ではないのです。
