もしも、今の記憶のまま17歳だった過去に戻れるとしたらどうする?
ただしそれには条件がある。
見た目は17歳に若返るが、中枢神経系は今と同じで、内臓が85歳のそれになるとしたら…。
そして、その変化は二度と元に戻せないとしたら?
内臓の老化
リアルに考えてみよう。
果たして、筋骨格器系は17歳、脳は40歳(僕の場合)、内臓は85歳の状態で高校生活を無事に送る事ができるのか?
そして、そこから受験、就職、結婚、子育て、ローン返済などを経て80代まで生きる事ができるのだろうか?
まずは、内臓機能を17歳と85歳の水準でおおまかに比較してみる。
① 心臓
17歳
- 心筋がしっかりしている。
- 血液を強く、効率よく送り出せる。
- 一度に送れる血液量(心拍出量)が多い。
85歳
- 心筋が少し固くなる。
- 一度に送れる血液量が減る。
- 動くと息切れしやすくなる。
- 不整脈が起こりやすい。
② 肺
17歳
- 肺胞の数・弾力が最大。
- 酸素を取り込む力が強い。
- 持久力が高い。
85歳
- 肺胞が減る、弾力が低下。
- 肺活量は20〜30代を100とすると、80代では半分ほどに。
- 階段で息が上がりやすい。
③ 肝臓
17歳
- 再生能力が最強。
- 解毒・代謝が速い。
- 脂肪肝や炎症も治りやすい。
85歳
- 再生能力が弱まる。
- 薬の代謝が遅くなり副作用も出やすい。
- 筋肉や糖の代謝も低下。
④ 腎臓
17歳
- ろ過能力が高い。
- 尿を作る力が強く、老廃物がどんどん排出される。
85歳
- 腎機能は若い時の40〜50%まで低下。
- 脱水しやすい。
- 薬の副作用が出やすい。
※高齢者が薬に弱い理由は「腎臓の老化」が大きい。
⑤ 胃腸
17歳
- 胃酸・消化酵素がしっかり。
- 食べてもすぐ消化。
- 栄養吸収も効率よい。
85歳
- 胃酸が減り、消化力が低下。
- 便秘しやすくなる。
- タンパク質の吸収が落ちる。
- 食欲が下がりやすい。
死の危険と常に隣り合わせ
体育の時間、夏季や冬季の通学、遊んでいる途中、飲食中など、天に召されるシチュエーションは多分にある。
中枢神経系は40代でも、内臓すなわち消化器系、循環器系、呼吸器系などは85歳なのだ。
よって、高血圧、脳梗塞、熱中症、ヒートショック、心筋梗塞、誤嚥性肺炎、感染症など、死のリスクと常に隣り合わせの状態となる。
平凡な高校生活の何が命取りになるか分からない…。
価値観の違い
過去に戻れば最初こそ、「懐かしい」「嬉しい」「たのしい」とか思うかもしれないが、次第にしんどくなると思う。
10代の連中がくだらなく思えたり、愚かしく思う事もあるだろう。
たぶん先生と一番話が合い、職員室が一番居心地のよい場所になるかもしれない(笑)
恋愛面に関しても、どうしても保護者的な視点となり価値観の相違に苦しむ事になりそうだ。
80代まで生きれるか?
17歳に戻れて、そこから平均寿命の80代まで生き残れるだろうか?
これは極めて深刻な問題だ。
なぜなら年齢が進むと共に内臓も年を取り、そのうち限界を迎える可能性があるからだ。
17歳で内臓が85歳という事は、40歳で108歳の内臓になる。
80歳では148歳の内臓…。
たぶん、臓器移植や補強手術などがそのうち必要になると思う。
タイムスリップにおける倫理
しかしだ。
ここで思うのは、タイムスリップというある種のチート行為(ズル)をして過去を生きている、本来存在してはいけない状態の人間のリカバリーに、「臓器移植」などなんらかの希少資源の提供を受けるのはどうかという話だ。
医師はその手術を行ってはいけないだろうし、万が一受けれる体制を得たとしてもそれは自身が拒否せねばならないだろう。
通常の医療、メンテナンスならば甘んじて受けるが、移植は別問題だ。
移植用の臓器は貴重であり、ただでさえ少ない。
それはその世界線を必死に生きて病気と闘っている方のためのものだ。
手を付けてはいけない。
生存戦略
内臓機能が17歳の40%以下というのはかなりのハンデだ。
リスクを避けるならば生活に大きく制限がかかるだろう。
まず、普通に就職や結婚は無理だ。
僕ならば、今までの貯金とお年玉を積んで両親と親戚を説得してさらに追加資金を用意し、半導体と商社の株を買って資産運用による資金捻出を計画する。
よってタイムスリップまでに、目ぼしい銘柄と上昇下落のタイミングを完璧に頭に叩き込んでおく(笑)
バタフライエフェクト
タイムスリップするならば、バタフライエフェクトも視野に入れねばならない。
蝶の羽ばたきによる小さな風圧が竜巻に発展する確率はゼロではなく、ある要因がその後の未来を大きく変えてしまうかもしれないという意味だ。
つまり、現段階での株価の上下は、過去に戻った際に必ずしも同じタイミングで上下しないかもしれない。
さらには、あり得ない状態の存在が過去にいる事により、いわゆるパラドックスが起きて僕が知る現在までの歴史が全て白紙になり、全く新しい未来が紡がれる事になるのかもしれない。
だが、そうなったとしても半導体、商社株はいつの次元、いつの世もそれなりに堅調ではあるだろうけど…投資が上手く良くは賭けだ。
しんどくなった時に…
体力がなくて内臓も弱く、毎週病院に通って数種類の薬を毎日飲むという、ある意味で忙しい生活。
命の危険を常に考えて決して無理できない。
それにより、遊び、交際、学業などが思い通りに出来ず、周囲とも価値観が合いずらい。
そんな時、目の前に神が現れ「嫌なら、元の40歳に戻るか?」と言われたらどうする?
ただし、ここで戻ったら本当に二度と過去には戻れない。
たぶん僕ならば、土下座してでも元に戻る事を選択するだろう(笑)
いくら未来の自分でも「乗っ取り行為」に他ならない
なぜならば、このままいくと「自分」の人生を壊すからだ。
過去の自分目線で考えると、ある日突然、何の相談もなしに未来の自分に体を乗っ取られる。
それも、内臓機能が85歳になるという大幅デバフ付き。※デバフとはゲーム用語で弱体化や不利になる事を意味する。
未来のことが解るという唯一の強みも、2026年の世界線がパラドックス解消のため消されて2003年に上書きされるようなことになればさして役に立たない。
変化を加えた2003年から先の未来は、全く別物になる可能性がある。
そして何より、17歳の自我は未来の自分と入れ替わった瞬間、共存せず消滅する事になる。
年老いた未来の自分が若い自分を殺すのだ。
万が一、神の悪戯で17歳の自我が戻ったとしても、人生も内臓もボロボロのめちゃくちゃだ。
興味本位で乗っ取られ、荒らされ、改悪された状態で「自分という名のアカウント」を返されても困るのだ。
人生は一回のみ
上述の通り、僕は未来の存在が過去に戻った時点で、その未来の存在が生きた世界線は消えると思う。
そうなれば、未来の情報など何の価値もない。
「未来の情報」と「現在の健康」どちらが大切か?
それは100対0で「現在の健康」だ。
人生は後ろから落ちていく橋。
後ろに道はなく、後戻りはできないが前にも何もない。
つまり、未来は決まってないという事。
何を選択するかが大事で、予め決められた未来はない。
別の道を選択した複数の世界線、いわゆるパラレルワールドは存在しないと僕は思っている。
だからこその「一回」なのだ。
一回きりの人生、例え未来の自分であっても邪魔はさせない。
まだ起きてないため未来は存在しないというのが僕の考えだ。
よって、「未来の情報」なるものに価値はない。
そんなものに振り回されてはいけない。
