頚の回旋、前屈、後屈で痛みが出るという症状に対して、大分症状が楽になったが右回旋と後屈の際の痛みがなかなか取れなかった。そこで、背骨の棘突起に沿って触診したところTH10あたりの部分で指が右に少しだけそれる部分があった。この部位の皮膚をつまんで上にリリースしてみた。この状態で回旋と後屈の動きをしてみてもらったところ痛みが大分楽になったとの事。さらに、この部分をつまんで斜め右上にひっぱった場合と左にひっぱった結果、やや右上にテンションを掛けた方がより楽との事だった。
痛みが出る部位とその部位を動かす筋肉の硬結部位を緩める他にも、真の症状改善を行うには全体の繋がりを見ていく必要がある。最近はコロナの影響でリモートワークで家の中で一日中でパソコン仕事をしている方も多い。前かがみ時間が長くなると背中の筋肉も必然的に負荷がかかる。すると首の筋肉や筋膜も引っ張られて確固たる症状に繋がるのだ。
さらに言うと、首の筋膜は背中、腰、臀部、下肢、足の裏までつながっている。上はなんと頭を通り越しておでこにまで伸びてひっついているのだ。腰の痛みの症状が、おでこをマッサージすることで緩和されたと言う話がテレビで紹介されていた。筋膜のつながりは侮れない。首が痛いからといって、首ばかりをマッサージしたり筋膜をはがしたり、鍼を刺しても効果が得られない時は、試しにその前後をつまんだり押してみるとよい。