ドケルバン病の場合は鍼も有効。

ドケルバン病は、親指を使い続けると起こります。要は、短母指伸筋と長母指外転筋という二つの筋腱が腱鞘部分でこすれて痛んで炎症を起こしてしまう、いわゆる腱鞘炎、もしくは腱炎です。

この場合、局所へのマッサージや超音波などの物理療法は痛みが増したりあまり即効性が無かったりする場合もありますので僕は局所をさわりません。

どこを刺激するかというと、短母指伸筋と長母指外転筋がくっ付いている前腕後面部分です。それと痛む局所を飛び越えた指の付け根付近の細い筋腱です。

これらの急所を手で押さえておくと、痛む手首の動きや親指の動きが楽になるケースが多いです。

さらに、場合によってはテーピングや包帯で固定したりすることで症状が大分和らぐケースもあります。

これらを行っても改善しないような場合は母指球付近の急所に鍼で響きを与えると運動時痛の改善がみられることが多いです。なので僕的に、使い過ぎにより起きる腱鞘炎やドケルバン病の場合、最後の手段として行うのは鍼です。

親指の使い過ぎによる負荷に関して、僕はある意味で精通しています。なぜならば患者様のお身体を押すという事で、10代後半から35歳になるまでずっと親指を酷使し続けているからです。

今でこそあまり痛むことは少なくなりましたが最初の内はかなり親指が痛くなり、腫れてしまうこともしばしばありました。仕事で何時間も来る日も来る日もとても強い力で親指を使うわけですから痛むのは当然なわけです。親指の関節は変形して太くなっているし、最後まで曲がらないし、爪の形も変わっています(笑)職業病ですね。

基本的にケア法としては常日頃から親指の血管を広げておいて発痛物質が溜らないようにしておく。強い力を使う時は必ずテーピングをする。強い力を使って指が痛くなった後は必ず冷やす。などを行っておくと大きく痛める事は少ないです。しかし、これでもどうしても痛む時は自分で鍼を刺します。痛い部分に針を刺して効果が得られる場合もあれば、少し離れた患部との関連部位に針を刺して響きを与えて深部から血流促進を図った方が効果がある場合があります。

そこの見立ては非常に重要になります。ですが、然るべき箇所に響きが加わる事で症状は割と劇的に変化します。若手時代、この鍼の響きでその後の仕事を凌ぐことが出来たことが何度もあります。

親指、それ以外の指や関節の腱鞘炎などでお悩みの方は是非一度ご相談下さい。