今回は、ぎっくり腰後の腰痛症例です。
背景
一カ月前に突然ぎっくり腰を起こしてしまい、その後時間が経っても痛みがあまり楽にならず今日に至るという状態です。
ぎっくり腰を放っておくとどうなるか
前に自分自身、特に捻ったわけでもないのにぎっくり腰を起こしたことがあります。
その当時は整形外科で勤務していました。
この痛みがどうなるのか自分の身体で研究しようと思い、あえて何もせずに過ごしました。
腰は曲がった状態でしたが、なんとか動いて仕事もして生活していました。
その後どうなったか?
なんだかんだで本調子になるまで2、3カ月かかった記憶があります。
一応は動けても8割まだ痛いですからね。
2、3カ月たってようやく5割くらいに落ち着いて、腰も大分伸びるようになりました。
動けるようになってきてもまだ痛いがあるという状態でした。
結果として、完治まで半年近くかかるため、放置は良くない事が解りました。
ぎっくり腰の際、病院ではどうするか
病院では、モーラステープなどの強力な消炎鎮痛剤が処方されたり、トリガーと呼ばれる痛み止めの注射、もっと痛みがひどい場合はブロック注射を行います。
そこまででもない場合は電気治療器を掛けたりリハビリを行います。
コルセットも処方され、患部を保護するのも一つです。
あの時、湿布くらいはせめて張っておけばよかったとも思いました(笑)
ちなみに、ぎっくり腰で救急車を呼び救急搬送されると、痛み止めの座薬やブロック注射での除痛が行われます。
数日入院して、歩行訓練をして回復が見られたら退院となります。
適切な箇所に適切な刺激で痛みは緩和する
ヘルニアや狭窄症などの疾患が元のぎっくり腰や、ひどい怪我によるぎっくり腰は時間が掛かったり、場合によっては適応外で病院に行かれた方がいい場合もあったりします。
ですが、筋筋膜性由来や不通即痛を主体とするぎっくり腰ならば、かなりの確率で痛みを半分くらい、もしくは半分以上改善させることが出来ると思います。
ぎっくり腰の多くは急な怪我ではなく、持続的な負担が原因です。
負担が常に掛かって筋肉が硬くなり、慢性的に局所の血流が悪くなって少しの刺激で筋筋膜に傷がついて発症するケーズがほとんどなのです。
これであれば、然るべき箇所の血管を拡張させて、内因性発痛物質を散らし、然るべき筋膜と筋肉を緩める事により症状は改善しやすいのです。
症状と施術
今回の患者様は、前屈、後屈、左回旋、左側屈時に右側の筋肉が痛むという状態でした。
痛む部位と、右の上殿皮神経を狙って無血刺絡の痛圧刺激をしました。
血管を狙って刺激し血流促進も重要ですが、痛み刺激で興奮している神経に刺激を加えて鎮静化させることも重要なのです。
結果
これらの施術で症状はかなり改善しました。
今回の症状の大元は中殿筋の筋硬結だと思われます。
筋肉が硬くなることで、上殿皮神経への血流が悪くなり発痛物質が溜ると同時に、神経の興奮過多を起こしたのでないかと思われます。
痛い部位と真に悪い原因部位は離れている事が往々にしてあります。
腰が痛くても、臀部へのアプローチで楽になる事も往々にしてあります。
それだけその部位に負荷が慢性的にかかっていたという事です。
鍼や刺絡は神楽坂東五軒町鍼灸整骨院へ。