
車の長時間運転で腰が痛い。
こちらの患者様は、お仕事で長時間車の運転をされていて慢性的な腰痛に悩まされていらっしゃいました。
腰や背中が凄く張る感じがして、重だるく痛みがあるという状態です。ここ何年も運動していなく、病院でレントゲンを撮り湿布をもらって、様子を見ましょうといわれて今にいたります。
腰痛の時に診るべきポイント。
このような場合、レントゲンで見ると腰椎の椎間関節が狭くなっている所があるかもしれません。それは「椎間円板」という軟骨に長期的に負荷がかかり痛んでいるという状態です。
これを「腰部椎間板症」と言います。患者様は仰っていませんでしたが、恐らくそのような説明が病院であったと思われます。
「骨の間が狭くなっている、軟骨がすり減っている」と言うと心配になる方もいるかもしれません。
整形の勤務時代、レントゲン画像を見ながら医師の診察補助をしておりましたが、この腰部椎間板症は非常に多いです。若い方でも軟骨に負荷が掛かっている方が多かったです。
そのため、痺れや痛みが強くなければその多くは保存療法で対処できます。
腰部椎間板症の症状と対処法。
椎間板症の症状としては主に腰痛症状です。
治療方針は、辛ければ安静にして湿布、飲み薬、痛み止めの注射など、そこまででもなければ適度な運動、局所のマッサージや電気治療、温め、という物理療法が一般的です。
軟骨に負担が掛かっているという事は、その周辺の筋肉にも負担は十分に掛かっています。
刺絡療法。
当院ではまず、腰背中の筋肉を最初に緩めてから同じく腰、背中に刺絡を行いました。
刺絡とは、滞った瘀血を出して血流を良くして自律神経を整える鍼治療の一種です。
同じ姿勢をしていると、筋肉が硬くなり血の巡りが悪くなります。すると「痛みの物質」なる物が血管壁から発生して局所に滞るのです。
マッサージでほぐしたり刺絡で溜った瘀血を出す事で、血管が開き痛みの物質が流れて症状が改善しやすいのです。
施術部位。
腰椎の4番5番という腰骨の付け根部分。ここは特に椎間板に負担がかかるところで、あらゆる腰の疾患の好発部位です。
東洋医学的には、4番5番の横に大腸兪という大腸に通じる経穴があります。
他にも腰椎2番3番の横側にある腎兪(腎臓に通じる経穴)この二箇所に刺絡を行いました。腎兪は、しばしば腰痛の時に鍼灸治療で用いられる急所です。
後は、背中の方に背骨がほんの少し横にカーブしている箇所がありました。そのようなところの横の筋肉も固いのでその部分も同じく刺絡を行いました。。
その後はだいぶ症状が改善されたようでした。
今までは週に2回ほど仕事終わりに職場の近くのマッサージに通っていたようですが、今では月に1回の刺絡で症状の戻りが抑えられ楽になったとおっしゃっていました。