顔のどこかが勝手にぴくぴくする現象のことを顔面筋の不随意収縮といいます。
筋肉が動く仕組み。
①脳で運動の意志が起きる。
②脳から顔面神経(運動神経)を通じて活動電位が末梢の筋肉に向けて流れる。
③神経の電気信号をアセチルコリンに変換してそれを筋肉の受容体が受け止める。
④それにより筋細胞の膜が興奮してカルシウムイオンを放出する。
➄カルシウムイオンの作用で筋肉が収縮する事で、脳が思い描いた運動が実行される。
⑥アセチルコリンが無くなれば筋肉の収縮が終わり、弛緩する。
神経は普段−70mVで安定している。
静止膜電位といって、動いていない時の神経の内側は−70mVで安定しています。
神経の内側はマイナス、外側はプラスでそれが規則正しく並んでいます。
ここに何らかの刺激が加わる事で内側が+外側が-になります。
神経の端っこの一つの±が入れ替わると、それが連鎖的に続いていきます。
一時的に+になった部分はすぐに-に戻ります。
何らかの不具合でアセチルコリンが意図せず分泌される。
脳からの指令ではなく、勝手にアセチルコリンが局所的に筋細胞の受容体に結合すると部分的に筋肉が動く事になります。
カルシウムイオンやマグネシウムイオンの過不足。
カルシウムイオンは神経末端でアセチルコリンを放出させるスイッチの役割があります。
つまり多すぎると神経の興奮を招きます。
マグネシウムイオンはカルシウムイオンを抑えるブレーキ役です。
少なくなると、神経が暴走しやすくなります。
考えられる原因。
①ストレスや不眠、カフェインの摂りすぎなど、交感神経優位。
交感神経が優位だとナトリウムチャンネルが開きやすくなります。
すると、神経膜が過敏になって少しの刺激でも電気信号が発生してしまうのです。
睡眠不足や疲労も同様に、ナトリウム・カリウムポンプの働きを弱め、膜電位の安定性を崩します。
その結果、神経が「誤作動」しやすくなり、不随意な筋収縮が起こる可能性があります。
対処法。
まずは必ず病院を受診してください。
顔の運動神経と感覚神経は脳と直接繋がっています。
つまりそれらに不具合がある場合、原因が脳自体にある可能性があるからです。
医師の見立てと検査で脳に異常がなければとりあえずは一安心です。
病院では薬やボトックス注射など何らかの解決策や治療方針が示されるはずです。
次に、電解質のバランスを整えてリラックスする事が肝要です。
神経の働きを正常にするように働きかけるビタミン剤やサプリも良いかもしれません。
鍼灸でお顔の筋肉を緩めたり、刺激を与えて神経の正常化を促すのも一つだと思います。
最後に、どのような時にその症状が出るのか傾向を探るのもお勧めです。
曜日、天気、場所、感情、体調、特定の人物など何か共通点が見つかるかもしれません。
もしも何らかの傾向があれば、根本原因の除去や対策を講じる事が出来ます。
この方法はセルフモニタリングと言いますが、これ自体がストレスになるようならば無理なさらないでください。
たとえすぐに解決がなされなかったとしても、僕がサポートします。
一緒に対策を考えていきましょう。
