33歳 女性(主訴) 風邪による喉の痛みと腫れ。井穴刺絡と声。

今回は井穴刺絡療法がクリティカルに効果的だった症例です。

主訴と症状。

二日前くらいから風邪を引き軽い熱やがある状態で、せき、鼻水などはありません。しかし、声が全く出なくなってしまったという主訴をお持ちの方でした。

施術方針。

喉の症状ですので、狙う井穴は手の太陰肺経の少商。と、その表裏である手の陽明大腸経の商陽です。こちらを左右、人差し指と親指の爪の付け根部分から血を20から30滴ほど抜きます。

症状の変化。

刺絡を行なっている途中から少し、声というか音が突発的に出るようになってきました。

終わる頃には音が出る比率が多くなっていました。そして施術から一時間後には低い声が殆ど出るようになりました。

その後、翌日には電話の時に使う高めの声を出すと軽くむせるけど、日常生活で困らないくらいまで回復しました。

急性期症状に刺絡は効果的。

「本当に?」と思われる方もいらっしゃると思います。しかし

僕は喉の腫れなどにより声が出なくなったという症例を、最低でも7つ経験しています。手前みそな話ですが、その中で5つ井穴刺絡で症状を直後に改善させたという実績があります。

刺絡療法は慢性症状にも効果はありますが、急性症状には割と即効性を示すものが多いです。

違う症例ですが、過去に辛い結石による痛みに井穴刺絡を行った際、その場で楽になったとおっしゃって頂いた経験もあります。それだけ末梢の「井穴」に属する急所は鋭い反応を示すポイントなのかもしれません。

なぜ声が出るようになった?

それに、井穴刺絡は自律神経調整、離れた部位に対してのアプローチにも長けています。

今回、井穴刺絡を行ったことで喉周辺の筋緊張緩和と血流促進。迷走神経、舌咽神経の活性化。それにより喉周辺の筋肉の動きがスムーズになり声の出が良くなったのではないかと考えられます。

あとは自律神経に働きかけて気管支が開き気道が広くなったことも一助となった可能性もあります。

基本的に急性声帯炎は沈黙療法がベスト。

カラオケなどで声を出しすぎたり、風邪で声が出なくなるなどの急性声帯炎の時は沈黙が一番です。

なので、我慢して声を出し続けた方が早く治るという事はありません。家で一人の時は、保湿、消炎鎮痛、沈黙療法がベストです。

最後に。

井穴刺絡で使う指先の急所は、西洋医学的にも研究が行われていて自律神経に作用するという事が分かっています。

内臓や感覚器など身体全体に関係する自律神経にアプローチして症状を改善させる刺絡療法、気になる方は是非当院へお越しください!