口内炎には主に三つのタイプがあります。
①外傷性。物理的な刺激によりできる口内炎です。②アフタ性。口の中の粘膜にできた炎症です。③カンジダ性。カンジダ菌によるものです。
基本的にすぐ治るが長引く時は注意。
口内炎は痛みがそれほどでもなく、すぐ治るなら大丈夫です。しかし、長引いたり痛みが強すぎたりする場合は注意が必要です。
口内炎は時として、癌化する場合もあるので侮れないのです。
原因は、入れ歯、矯正器具、歯も詰め物、尖った歯などです。これらが舌や粘膜にあたる事で口内炎を発症します。
外傷性の口内炎。
傷付いた粘膜周辺で、細菌が繁殖すると炎症が起きます。炎症により痛みや不快感につながるのです。
外傷性口内炎は通常、数日で治ります。
アフタ性口内炎。
アフタとは、舌や唇の裏側、ほほの内側にできる口内炎の事です。丸くて中心が窪んだ小さな潰瘍を形成します。
これの原因は実ははっきりわかりません。ストレスや栄養バランス、アレルギーなどが考えられています。
これも1週間から2週間で治ります。
ステロイドは基本的にNG。
どうしても痛い時は病院で薬症状に応じたが薬が処方されます。ステロイド薬は基本的に使えません。なぜならば、炎症と同時に免疫反応も抑制してしまうからです。すなわち、口内炎の治りが遅くなる可能性が高くなります。
しかし、アフタ性口内炎用のステロイドもありますので、医師に聞いてみて下さい。
アフタ性口内炎が繰り返し起こる時は、別の病気が原因かもしれませんので必要が必要です。
ベーチェット病などの自己免疫疾患などと鑑別が肝要です。
カンジダ性口内炎。
カンジダ菌という真菌が過剰に増えることで発症します
症状は、赤く腫れたり出血したりします。ひどくなると、痛みや舌の痺れをもたらします。
口腔内には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌が在中しています。これらがバランスを保つことで口内環境が健全に保たれているのです。
カンジダ菌は、日和見菌の一種です。普段はある程度以上数は増えません。ですが、何らかの影響で常在菌のバランスが崩れると増えます。
「何らかの影響」とは、ストレス、疲れ、栄養不足などです。免疫機能が低下するとバランスが崩れます。
治療法は、口腔内を清潔に洗浄する事。そして抗真菌薬を含むうがい薬や塗り薬です。
※ステロイド薬は免疫力を抑制するので使ってはいけません。
口内炎で病院を受診すべきポイント。
①痛みが激しい。
②2週間以上改善されない。
③再発を繰り返す。
口内炎に詳しい、歯科や口腔外科、耳鼻科に行くと良いです。
口内炎とよく似た疾患
扁平苔癬
舌や唇の皮膚や粘膜が硬くなり、線状や網目状の斑点を伴います。炎症が起きると、周りが赤くなるのが特徴です。ガン化する可能性は1%です。
白板症
舌やほほなど、口の中の粘膜に見られる病変です。痛みを伴わないこともあります。舌にできた場合は悪性化する可能性が高いです。しこりや潰瘍を伴うものは初期癌が疑われます。
紅板症
白板症の赤いバージョンで、痛みを伴います。
50%前後が悪性化するといわれています。
痛みがあって硬い口内炎は注意。
口内にできる口腔癌の初期は、痛みがあまりないのです。そのため、口内炎と勘違いされて見過ごされやすいのです。
癌のと口内炎の違いは、痛みや硬さです。
口内炎は痛くて、癌の初期は痛くありません。口内炎は柔らかいですが、癌は硬くてぼこぼこしています。
そして、癌の場合は2週間以上続きます。
しかし、専門医でも口内炎と癌を完全に見分けるのは難しいといいます。
2週間以上続くようなら、すぐに病院へ行って下さい。