不眠と不眠症。

不眠とは心配事や旅先で一時的に眠りが浅かったり眠れなくなることをいいます。
不眠症とは、一時的ではなく長期的に眠りが浅いまたは眠りにくいという症状があることをいいます。

日本人の30から40%の人が不眠の症状を持っていて、そのうちの10%が不眠症、すなわち不眠が長期的に続いているのです。

不眠症はストレス、病気、アルコール、薬の副作用で起こりやすいといわれ、加齢により増えて、女性におおい傾向にあります。

なぜ女性に多いかというと、更年期に伴いエストロゲンの低下がストレス耐性を弱めたり、のぼせ、発汗などで寝つきが悪くなるという理由が考えられます。

不眠症のチェックリストを以下に示します。
1 寝床についてから寝るまで時間がかかる
2 夜中、睡眠の途中で目が覚める
3 予定していた時間より早く目覚めてそれ以降眠れない
4 睡眠時間が足りていない
5 睡眠の質に不満がある
6 日中の気分が落ち込んでいる
7 日中の活動状態が低下している
8 日中の眠気がある
※アテネ不眠尺度より

などです。前半5つ、後半3つのいずれかが両方ともあてはまり、週3回以上の頻度で長期間続くと不眠症の可能性があります。

不眠症で留意すべき事は、日中の症状です。活動している日中の日常生活において支障が出ているかどうかがポイントになります。午前中に眠くてうとうとするようなら不眠症の可能性が高いです。

不眠症の症状は、倦怠感、意欲の低下、集中力の低下、抑うつ、頭痛感、めまい、食欲低下などです。上記のチェックリストの他にこれらの症状が当てはまる場合はかかりつけのお医者さんに相談してください。

不眠症はただの寝不足とは違います。不眠が長く続くことにより仕事がはかどらなかったり、怪我や事故の危険性もあるので軽く考えず医療機関を受診する事は大切なことです。

そして、別の病気が潜んでいてそれにより不眠症と勘違いしてしまうケースもあります。

不眠症と間違われやすい主な病気として、睡眠時無呼吸症候群、むずむず症候群、うつ病などがあります。さらには高血圧、糖尿病、パーキンソン病等でも不眠症状が起きます。不眠の原因を正しく把握して、適切な治療を受けることが肝要です。

睡眠時間の目安として、働いている成人は6時間以上の睡眠時間が必要です。逆に高齢者の場合は、8時間以上床についてはいけません。なぜなら筋肉などが弱ってしまうからです。
若い方なのでダイエットのために朝ごはんを抜いたりするのは良くありません。朝ご飯は体内時計をリセットするための大切な要因なのです。そして寝る前に空腹感を感じていると寝付きが悪くなります。

不眠症を改善するには、規則正しい食生活、地球の概日リズムに則した生活をせねばなりません。
昼夜逆転生活や、夜更かし、1食もしくは2食抜きダイエットなど不自然な生活習慣はよくありません。日常生活で体の何らかの不具合が起きて生きづらさを感じているときは、一度自分の生活習慣、生活スタイル、生活における信念が地球のリズムと乖離している可能性を視野に入れてみてください。

どうにも改善できない時は、不眠症の症状を和らげる薬物療法や認知行動療法などもあります。そのため、長期にわたって睡眠症の症状がある方は専門医に相談してみてください。