大腸がんは日本人が罹患する癌の中で一番多いです。
全ての癌の平均五年生存率は64.1%です。
肺がんの五年生存率はは34.9%、胃がんは66.6%、大腸がんは71.4%です。
※国立がん研究センターがん対策情報センター2020
大腸がんは大腸の最上層の粘膜から始まり、だんだん下の層に浸潤してきます。癌は基本的に手術で除去するのが望ましいとされていますが、位置や状態により異なる場合があります。どこまで深い層まで潜っているのかが重要なのです。
粘膜、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜とあるなかで、粘膜下層までの浸潤ならば内視鏡で切除できるそうです。これならお腹を切らないので体の負担は少なくなります。
他にも、腹腔鏡手術、ロボット支援手術などの方法があります。ロボット支援手術は全体の16%程だそうで、普通にお腹を開いての手術は全体の1割ほどはあるそうです。
大腸がんはリンパを目指して浸潤し、リンパ節転移、そこからの動脈、動静脈吻合部への浸潤にまで波及する事があります。そこに至る前に食い止めねばなりません。
さて、大腸がんの約7割は散発性大腸がんといって、生活習慣、環境、老化などと関係が深いとされます。
残りの3から4割は家族集積性大腸がんといって、血縁者に複数の大腸がん患者がいたり、よく似た生活環境を家族で共有していたりなど、何らかの遺伝的な要因が関係している可能性があるものとされています。
遺伝性の大腸がんの中には、5%くらいの割合で確実に大腸がんの遺伝子がわかっているものもあります。
散発性大腸がんの好発年齢は60代ですが、遺伝性大腸がんは20から30代で発症することもあります。
いくつか種類があり、多くのポリープができてしまったり、病態が軽度から重度のものもあります。
遺伝する確率は男女共に50%だそうです。早いうちに手を打つ必要があるタイプのものもあります。
「大腸がん」というと、食生活や生活環境が悪いとか不摂生、自己責任のような印象を持つ方もいるかもしれませんが、遺伝子の関係でやむを得ない場合も往々にしてあるのです。
もしも、親族に大腸がんの方がいる場合は遺伝学的検査、遺伝カウンセリングを受けてみるのも一つだと思います。
気になる方は主治医の先生に相談してみてください。