ソーセージに含まれる発がん性添加物、亜硝酸ナトリウム。と、あるご老人の話。

現代において、街中の飲食店や小売店には色んな国の様々な食べ物や料理があふれている。その中で、ソーセージという食べ物を皆様もご存知だろう。豚や羊、牛などの腸に、鳥獣類のひき肉や刻み肉と調味料を合わせたものを詰めた料理だ。一説にはエジプトや中近東あたりが発祥の地と言われている。ソーセージは、燻製にしたり、ハーブやスパイスを効かせるなどの加工をすることで長く保存できるようになる。安価で、しかもどこのスーパーでも売っているので、人によっては高頻度で食べている方もいるだろう。ちなみに、「ウインナー」とは「ウィーン風のソーセージ」という意味でソーセージの一種だ。

さて、ソーセージ含めすべての「食肉」というものは時間が経つと酸化してきて変色する。スーパーにあるパックのお肉などで一部、夕方頃にいくと端っこが青黒くなっていて、3割引きなどで売られているのものを見たことがないだろうか。これは腐敗しているわけではなく、ただ単に酸化しているだけだ。酸化したお肉の方が実は美味しいという話もあり、いい具合にあえて酸化させたお肉を取り扱う専門高級レストランもあるくらいだ。

しかし、酸化した肉は一般的に見た目が悪い。綺麗で食欲をそそる赤ピンク色の肉と、青黒くなっている肉とでは前者を選ぶ人が圧倒的だろう。ましてや、大切な家族、子供に食べさせるとか、客人に振る舞うなどの時はなおさらだ。人気のない肉は当然売れ残るし、捨てられる。「色」だけで販売店の売上や食品廃棄によるロスに大きく影響を与えるのはゆゆしき問題であると同時に、それほど重要なのだ。

そこで、「発色剤」という添加物がある。これはお肉の色を綺麗な赤ピンク色に保つためのものだ。スーパーで売られている、調理されていない豚肉や牛肉のパックならばその日に買って食べるか冷凍すれば問題ないので添加物などは必要ない。しかし、ソーセージはそもそも保存がきくように作られている食料のため、腐らないように、見栄えが悪くならないようにと、添加物や発色剤が加工の段階で入っている。

その中に「亜硝酸ナトリウム」という発色剤がある。「無塩せき」とパッケージに書かれていないハム、ソーセージの類には例外なく亜硝酸ナトリウムが入っている。試しにスーパーでソーセージのパッケージの裏をみてみるとよい。※亜硝酸ナトリウムは発色剤の他に、ボツリヌス菌を防ぐ役目もある。

この亜硝酸ナトリウムは、肉に含まれる「アミン」と反応することで「ニトロソアニン」という発がん物質に変化する恐れがある。※渡辺雄二著書 「食べるならどっち!?」より抜粋。さらに、ニトロソアニンは、胃酸など酸性の状況下で反応を起こしやすい。

ニトロソアニンは10種類以上あり、いずれも動物実験で発がん性が認められている。とくに、Nニトロソジメチルアニンの場合、わずか0.0001~0.0005%を餌または飲料水に混ぜてラットに長期間与えた実験で、肝臓や腎臓に悪性腫瘍が発見された。

そもそも亜硝酸ナトリウムは非常に毒性が強い化学物質で、ヒト致死量は0.18~2.5gであると、上記の本に書かれている。致死量とまではいかずとも亜硝酸ナトリウムを誤って多く摂取した中毒症状としては、嘔吐、チアノーゼ、動悸、血圧降下などがあるらしい。

あと、たこさんウインナーという真っ赤な色をしたウインナーがある。あの特殊な赤色を作るためにたこさんウインナーには亜硝酸ナトリウムの他に、合成着色料のタール色素が入っている。これは、子供に蕁麻疹を起こす可能性があると共に、ラットを用いた実験では甲状腺に悪性腫瘍が増加したということが解っているそうだ。

世界の食品添加物認可数を見て見ると、アメリカは133、フランスは32、イギリスは21。日本はなんと1500と世界で二番目に食品添加物の認可数が多い。一位は中国で2500以上だ。

「日本人は色や味、見た目にうるさくデリケートな胃腸をしているから食品添加物がどんどん増えていったんだ。」という外国人がいるかもしれない。もしかしたら食品添加物に関わる日本の閣僚も同じ事をいうかもしれない。一応、厳正たる審査と検証実験の果てに安全が担保されているからそれらの添加物が混入している食べ物が市場に供給されているわけだが…。気になるならなるべく無添加の物を選んだ方がよい。

最後に、昔のテレビに出ていたある老婆の話を書いて終わる。

これは、現在の自分が過去の自分にむけて言葉をかけるというテレビのひとコーナーだった。どこかの田舎で90代と思われる、小柄だがしっかりとした老婆が杖も使わず立位で、カメラに向かって語りかけている。「若いころのあなたへ。今、戦争でとても苦労してるでしょ?毎日毎日辛くて泣いて暮らしているでしょ。分かるよ。でもね、もう泣かないで。あなたは今から40年後、人生を変えるとても素晴らしい出会いをします。」というのだ。きっと、旦那さんか、子供さんか、お孫さんかな?と思って聞いていたらその老婆はこう答えた。「何と出会ったかって?それは、…シャウエッセン」と。(笑)

シャウエッセンのウインナーが美味しくて美味しくて感動して、それからとりこになって今に至るというのだ。90代の老婆が、約3~40年間、亜硝酸ナトリウム入りのウインナーを食べ続けていても全然元気でピンピンしていることがわかる映像だった(笑)

…もっとも、その番組のスポンサーが日本ハムだったかもしれないし、当時シャウエッセンは久保田利伸を起用したCMを打っていたため、久保田利伸を売り出すとか、何らかの意図のある、ある種のステルスマーケティングだったかもしれないという穿った見方も出来なくはない。

テレビは基本的に台本があり、演出家がいて、台本の通りに役を遂行できる器量の良い素人か、素人と見せかけたエキストラ俳優が使われることも大いにある。なので、ソーセージウインナーが別に好きでもなく、毎日食べてるわけではない、元気な老婆が「役」として起用されただけの可能性はある。

まあ、この場合はあまり穿った見方はせずに、「無添加を心がけて食に敏感になるのはいいけれど、たまには肩の力を抜いて、気にしすぎはよくないよ」と、自分に向けて声をかけたい…(笑)