随意運動の順序。

随意運動を開始する時というのはいくつかの種類がある。①「喉が渇いた」とかの内的欲求が動機となる場合は、大脳辺縁系で統合される。②「ボールが飛んできた」とか、「熱いものに触った」時は、視覚、聴覚、体性感覚などの外的刺激各感覚野で統合されて皮質連合野に送られる。③「名前を呼ばれた」とか、自ら起こった意志によって運動を開始する時は皮質連合野で統合される。

この皮質連合野というところで運動を行う意志が決定される。特に、視覚刺激によって随意運動を起こす場合は皮質連合野のうち前頭連合野と頭頂連合野が重要な役割を果たしている。

皮質連合野の情報は、運動前野、補足運動野ならびに大脳基底核と小脳に伝えられて、実際にどの筋肉をどのような順番で活動させるか、どの程度の力を発生させるかなどの具体的な運動のプログラムが作られる。運動プログラムは一次運動野に伝わり、その結果最終的な運動指令が一次運動野から脊髄、脳幹の運動ニューロンに伝えられて運動が遂行される。その際に、体性感覚によるフィードバック調節や、体性感覚・平衡感覚の情報を受けながら運動を調節する小脳を介する神経回路が働いて外界の変化に対応した運動が行われる。

皮質連合野(運動の意志決定)

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運動前野、補足運動野、大脳基底核、小脳

(どの筋肉をどれくらいの強さでどの順番で働かせるかのプログラム作成)

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一次運動野(最終的な運動指令を発令)

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脊髄、脳幹のニューロン

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随意運動実行

※運動の際に、体性感覚によるフィードバック調節や、体性感覚・平衡感覚の情報を受けながら運動を調節する小脳を介する神経回路が働いて外界の変化に対応した運動が行われる。