糖尿病について。食事生活いいこと悪いこと。

糖尿病は血糖値のコントロールが効かなくなり、慢性的に血糖値が高い状態をいう。それにより実に様々な不調が現れ、時として命が危ぶまれる重篤な状態にもなるから厄介な病気だ。

糖尿病はⅠ型Ⅱ型と二つある。Ⅰ型は自分の免疫細胞が勝手に膵臓の血糖血を司る部分を破壊してしまうことで発症する。Ⅰ型糖尿病は国内の糖尿病中4%の割合で罹患者がいる。欧米人に多い。Ⅱ型は生活習慣が原因で起きる。糖質、アルコールなどを摂取しすぎている、間食をよくするなど、要は常に血糖値が高い状態を維持している事で血糖値を下げるインシュリンが効きにくくなる事で発症する。

糖尿病の判定基準は、空腹時血糖値→126以上。HbA1C→6.5%以上だ。

HbA1Cとは、ヘモグロビンにブドウ糖がくっついたもの、これを糖化ヘモグロビンという。一度糖化したヘモグロビンは元に戻らない。血糖値が高いとヘモグロビンはブドウ糖にくっつきやすくなる。これを1~2ヶ月の間でみてその平均値がHbA1Cとなる。

アルコールは分解すると糖質になる。焼酎、ハイボールだからいいとか関係ない。そももそも毒だし、飲まないにこしたことはない。少しなら血行を良くして安眠効果があるからお酒は百薬の長とかいうが、少量の飲酒でも発がん因子となるし、アルコールが報酬系に影響を与えるので中毒になりやすい。無理して飲む必要は断じてない。

おやつやその他の間食もなるべくやめた方がいい。特に人工甘味料。カロリーゼロだからと言って身体にいい物ではない。人工甘味料は味覚を通して糖分の数十倍の甘みを感じさせることができる。これを摂取することで膵臓がどれくらい血糖値を下げればいいのか混乱してしまう。血糖値を下げすぎて今度は血糖値を上げるというインシュリンスパイクが起きやすくなる。こんな現象が身体にいいはずがない。膵臓に負荷が掛る。さらに人工甘味料はものによって、男性の精巣に働きかけるものや発がん性があるものもあるので避けるのが無難。

一食ぬき生活も良くない。例えば、晩御飯を食べた昨夜から何も食べずに昼食をとるとしよう。19時間近くものを食べていない、胃に何もいれていないことになるわけだ。すると、すい臓がインシュリンを出す事を忘れるという現象が起きることがある。※TV番組「元気のチカラ」より。これを元のアルゴリズムに戻すには時間がかかる。それに、空腹状態が長く続くと体は足りないエネルギーを一気に吸収しようとするので血糖値は大きく跳ね上がる。

米や麺類などは炭水化物なので、ほどほどにしておくべきというのはどこかできいた事がある方もいるだろう。通常、食後2~3時間以内にインスリンが働いて血糖値が正常な値に戻る。しかし、炭水化物が多い食事だと通常よりも血糖値を下げるのに時間がかかる。そのため高血糖の状態が長く続いて次第にインスリンの効きが悪くなってしまう。

100%フルーツジュースを朝一番、もしくは身体にいいと思い定期的に飲む人もいるのではないか。フルーツジュースは例え100%だとしても糖分がわりとたくさん入っているので注意したほうが良い。糖は口腔粘膜と胃から即座に吸収される。「果糖だから大丈夫」と思っている方もいるだろうが、糖は糖だ。小腸で分化されてようやく糖分になる麦芽のようなものならいいが、口腔と胃から即座に吸収される糖質は良くない。「果物」は身体に良いが、果物の糖度が近年増してきているのが問題だ。マンゴーやシャインマスカット、イチゴにミカン。甘ければ甘いほど売れるし話題になるし価値が上がるからと、農家や研究者もそこに注力するのかもしれないが、最近の甘い果物はほどほどにしておいた方が賢明だろう。

どうしても甘いものを飲んだり食べたりしたいのならば先によく噛むものを食べて軽く腹を満たし、唾液を十分に分泌させて口腔内をある程度コーティングしてからの方がよい。

さて、普段の生活でよくない事を上記した。今度は対処法を書いていく。

まずは運動だ。ウォーキングや水泳、有酸素運動はブドウ糖を細胞の中に取り込みやすくする。それによりインスリンの効果が高まり血糖値が下がりやすくなる。糖尿病のリスクは歩く歩数を増すだけでも下がる。1000歩増加→6%減 2000歩増加→12%減

食事に関しては食物繊維を多くとる事をお勧めする。食物繊維はインスリンの分泌を促し血糖値を上がりにくくするクレチンというホルモンを調節する作用がある。

料理の食材もなるべく食物繊維が豊富な食材に置き換えられるものは置き換えてみるのもよろしい。例えば麻婆豆腐の豆腐をきのこにしてみるとか。置き換えなくても、ハンバーグにレンコンを多くいれてみるとか。

生活習慣病は文字通り、生活習慣により生まれる。ならば改善の鍵は当然、生活習慣の見直しが握っているのだ。できることから始めるとよい。