熟成ニンニクに含まれるSアリルシステインとアミノ酸。

にんにくは予てから体にいいとされている。とくに黒ニンニクや低温熟成ニンニク。なぜならばこれらには様々なアミノ酸が入っているのだ。アミノ酸とはエネルギー産生要素のタンパク質を合成するために必要な有機化合物であり、地球上には500種類近く存在する。我々人類の体を創るのに必要なアミノ酸は全部で20個。必須アミノ酸9つ、非必須アミノ酸11個。必須アミノ酸は体内で合成することが出来ないので食事でとらねばならない。非必須アミノ酸は体内で糖質や脂質から作ることが出来る。アミノ酸はとても重要で、人体を構成する成分の60%は水だが、残り20%はアミノ酸なのだ。必須、非必須アミノ酸20個一つでも欠けるとタンパク質を合成できない。ちなみに残り15%は脂質で5%は糖質だ。

ニンニク、低温熟成ニンニク、黒ニンニクには下記のアミノ酸が含まれている。

SAC(非必須アミノ酸。ニンニクを熟成しないと発生しない)

アルギニン(非必須アミノ酸。アンモニアを分解してエネルギー産生に貢献)

リジン(必須アミノ酸。ぶどう糖の代謝、カルシウム吸収促進、肝機能強化)

ヒスチジン(必須アミノ酸。抗酸化作用、脂肪分解、交感神経刺激のヒスタミンの原料)

フェニルアラニン(必須アミノ酸。ノルアドレナリン、ドーパミンの元)

チロシン(必須アミノ酸。髪の毛の黒の原料メラニンや甲状腺ホルモンの原料)

ロイシン(必須アミノ酸。筋肉のエネルギー源BCAA。筋肉の修復、増強など)

イソロイシン(必須アミノ酸。BCAA。血糖値を上げずに筋肉へのグルコース取り込み促進、肝臓での糖新生抑制、成長促進)

メチオニン(必須アミノ酸。ヒスタミンを押える働き、不足すると利尿作用が落ちてむくむ)

バリン(必須アミノ酸。BCAA。筋肉強化、疲労回復、血中窒素量調節)

アラニン(非必須アミノ酸。アルコール分解、グルコース生成)

グリシン(非必須アミノ酸。コラーゲン生成、中枢神経系で抑制に働く、不眠改善)

プロリン(非必須アミノ酸。コラーゲン生成)

グルタミン酸(非必須アミノ酸。GABA生成、アンモニア解毒、尿の排出促進、うまみ成分)

セリン(非必須アミノ酸。脳神経細胞の材料)

スレオニン(必須アミノ酸。肝臓での脂肪蓄積抑制、成長促進)

アスパラギン酸(非必須アミノ酸。乳酸をエネルギーに変える、アンモニア体外へ排出、K,Ma細胞内取り込み、中枢神経保護)

トリプトファン(必須アミノ酸。精神安定や鎮痛に関わる神経伝達物質の原料)

シスチン(非必須アミノ酸。メラニン抑制、解毒作用)

これらのアミノ酸が一番多く含まれているのは低温熟成ニンニクで、二番目が黒ニンニク、3番目は普通のニンニクだ。低温熟成ニンニクのアミノ酸含有量は半端ではない。特に群を抜いて多いのがアルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸である。※参考資料を下記に載せるので見て見て欲しい。

さて、ニンニクの成分だがSアリルシステインというものがある。これは普通のニンニクにはほとんど入っていない。熟成する過程で増える貴重な成分なのだ。これの含有量は低温熟成ニンニクが一番多い。黒ニンニクは高温で長期間熟成させて作られるのに対して、低温熟成ニンニクは短期間に低温で自己発酵させて作る。

Sアリルシステインは、高い水溶性と安定性があり経口摂取により消化管から吸収されても副作用がない。口から吸収されて血液脳関門も通過して脳に到達する。実際に、Sアリルシステインを摂取することにより、学習記憶障害改善、中枢神経保護作用、抗炎症、抗アミロイドβ形成(アルツハイマー型認知症予防)、タウタンパクの過剰リン酸化抑制(脳の老化防止)、抗癌、抗糖尿、抗高血圧などの効果が認められる。