超音波治療器について。

超音波治療器は急性、慢性両方の症状に効果的である。なぜならば、連続で超音波を当てれば温熱刺激も加えれ、間欠にすると温熱なしで超音波の刺激を患部に当てる事ができるからだ。

非温熱効果としては超音波の刺激を当てた患部が、水蒸気で満たされた空洞を作り膨張し、振動を受ける。それによりタンパク質合成や膠原線維の合成の促進、血管壁、細胞膜の透過性、細胞活性を亢進させ、組織の再生や浮腫の軽減などの一種の治癒過程を促進させるとともに抗炎症作用、鎮痛作用、組織修復作用がある。

音波治療器の原理は、逆ピエゾ電気作用すなわち高周波交流電流を機械的な振動に変換している。セラミッククリスタルが体積変化を起こすことで押す力と引っ張る力が患部に作用する。1メガヘルツでは、一秒間に100万回、3メガヘルツでは1秒間に300万回も細かな振動が患部に加わっている。周波数が大きくなれば吸収率も上がる。なので、1メガヘルツの場合は最大で皮下9センチまで届くが、3メガヘルツでは皮下1センチくらいのところとなる。

超音波療法をするにあたりこれらの法則は参考になる部分もある。↓

(アルントシュルツの法則)弱刺激は生理作用を起こし中程度の物はこれを促進するが強刺激はかえってこれを抑制し、最も強い刺激はこれを停止せしめる。

(バンホッフの法則)化学反応の速度はその温度に10℃加える事で2倍以上に増進する。細胞の代謝依存度を酸素消費の観点から見ると平常温度から加熱を始めると初めのわずか2~3℃上昇時に新陳代謝の速度は非常に早くなる。

超音波療法の禁忌

血管の疾患、放射線療法を行っている方、腫瘍部分、心疾患の方の心臓部や神経節部、妊婦、成長期の子供の骨端線部、眼球、ペースメーカーの部位など。

極超短波(マイクロ)の場合は骨折後のプレート、ボルト固定部や金属部も禁忌であったが、超短波の場合は大丈夫。