徐脈と洞不全症候群と自律神経について。

徐脈とは、心調律、刺激伝導系の急激な変化で引き起こされる。それにより血圧、脈拍低下、めまい、失神などの症状が出る。心拍出量の減少による一過性の脳虚血発作が徐脈型アダムストークス発作という。

三つの症候に分類できる。

1 長時間にわたる心拍動停止が起きる。仰向けでも意識が混濁している。心停止時間が長ければ意識消失に至る。

この原因は房室刺激伝導の急激な中断による一過性の心停止。

2 高度の徐脈を呈するが長時間の心停止を伴わない。横になっている状態では自覚症状がなくても座っていたり立っている状態では脳血流量が減少し、眩暈が生じる。

症状がでる徐脈の程度は患者の年齢や脳動脈硬化の有無により異なる。

3 安静時には無症状の徐脈でも、労作や運動により心拍数が十分に増加しなければ失神発作を生じることもある。

この中で、1が古典的なアダムストークス発作である。1も2も3も基本的に治療上の相違はない。

徐脈性不整脈の成因は、心臓刺激伝導系の自動能の低下、伝導の途絶である。心臓刺激伝導系において自動能を有する部位は洞結節と房室結節であり、伝導速度が緩徐になる部位でもある。洞結節にトラブルがあると、洞不全症候群、房室結節にトラブルがあると房室ブロックがおきる。

人の洞結節動脈は55%が右冠状動脈の近位2~3センチより、45%が左回旋枝の近位1センチから始まる。右冠状動脈領域の心筋梗塞に見られる同徐脈の原因としてはこれらの解剖学的な関係ではなく、副交感神経の緊張亢進が考えられている。

洞結節細胞の電気生理的学的特徴及び、自発脱分極にはカリウム透過性の抑制、ナトリウム透過性の亢進、ナトリウムポンプ活動の抑制、カルシウム流の増加の4種の膜透過性の要因などが単独あるいはそれらの組み合わせでおこると考えられている。これらは内因性の要因であるが、外因性の要因として、自律神経は重要な役割を有している。

位相4の脱分極開始の機序や自発脱分極頻度の決定は洞結節ペースメーカー細胞の内因性要因である。この内因性要因が交感神経と副交感神経刺激あるいはアセチルコリンによりカリウムの膜透過性は亢進し、ペースメーカー細胞の自動能と自発脱分極は抑制される。交感神経刺激とカテコラミンにより主として位相4の勾配が増加する結果として刺激発生頻度が増加する。

洞不全症候群の器質的な所見としては冠動脈硬化、心房アミロイドーシスおよびびまん性線維化がある。加齢とともに進行するこれらの病変が内因性洞結節機能障害の要因として考えられていて、実際に洞不全症候群は高齢の方に多い。自律神経は洞不全症候群の重要なよういんであり、高齢者の同徐脈の多くは副交感神経亢進によるものであることや、無症候の同徐脈のものより自律神経の反応が異常なものに多い事がしめされている。

今回は、徐脈でお悩みの患者様がいらっしゃるので徐脈のついて調べてみた。文献によると心臓のペースメーカーの役割を担う洞結節の動きが悪くなることで徐脈がおきる洞不全症候群、特に高齢者の倍は自律神経と深いかかわりがあることが分かった。副交感神経の異常亢進を抑制するような働きかけが肝要にあるのではないかと思われる。

_pdf (jst.go.jp)

こちらより抜粋。