40代男性で、体格がかなり大きな方の腰痛です。
症状
仰向け状態でのもも上げ、腰の左右回旋、座位及び立位で腰の左右側屈回旋時痛の他、腰部、腹部周辺などの圧痛がある状態です。
施術
患者様が鍼治療をご希望だったため、腰周辺の筋肉の張り具合を確認したのち、刺鍼しました。
身体が大きな方でしたので指のほぐしより、鍼の方が適していると僕も判断しました。
腰周辺、腰方形筋、腸腰筋、中殿筋と硬く、押すと症状が若干変化するような箇所に刺鍼していきパルスを掛けました。
ここで問題なのが、かなり体格が大きくて深部の痛んだ筋層まで届くかどうか、十分な響きや刺激を与える事が出来るかどうかです。
奥まで届くのか?
一応、一回目の施術では多少は楽になりました。
二回目の来院時に1~10のペインスケールを尋ねると、6か7くらいとお答えいただきました。
約7割も痛みがあるというのはまだまだ辛い状態です…。
二回目も急所を用いた運動療法を行いその後、鍼治療を行いました。
また少し楽になったと仰っていただきました。
三回目の施術の際、動きは楽にはなってきているけど、まだ腰の左部分が痛いという事でした。
無血刺絡
三回目で僕は無血刺絡を試みました。
なぜ三回目まで無血刺絡を行わなかったかというと、この時はまだ無血刺絡の経験が浅かったからです。
そのため、身体の大きな方に表面の刺激は通用しないというバイアスがかかっていました。
施術部位と結果
腰の施術ポイントは、痛みがあるところとそこを支配する神経の出口周辺です。
かなりチクチク痛いとおしゃってましたが驚くべきことに、これだけで痛みはほぼなくなりました。
もっと早くに無血刺絡を行っておけばよかったと思いました。
身体が大きかろうと関係ない
脂肪と筋肉層が厚くて、深部に鍼の響きを与えられるかどうかのみに念頭をお置いていました。
しかし、大きな身体でも、深部の筋肉がターゲットでも、知覚神経は表面も深部も同じです。
神経は全て脊柱から出て、末梢へ繋がっていきます。
つまり、痛みや痺れなど何らかの神経症状に対して、脊柱及び神経へのアプロ―チは必須なのです。
そして、デルマトーム領域の感覚神経狙いであればどんなに体が大きくても関係ないのです。
フレアー反応
無血刺絡後は、刺激したところが赤くなりました。
フレアー反応といって、毛細血管が広がったという証拠です。
血管を開き内因性発痛物質を流して散らし、痛圧刺激を生体に与え神経に作用させることにより、痛みを和らげることが出来たという事だと思います。
今回、無血刺絡は優れた治療法だと再確認させられました。
慢性急性の症状には、鍼や刺絡が効果的な場合もあります。
お辛い方は神楽坂東五軒町鍼灸整骨院へ。