今回は、脊柱管狭窄症と変形性股関節症がある腰痛の症例です。
症状
主な症状は、じっとしていると腰、臀部、下肢が痛んでくるというものです。
立っていても、寝ていても同じ姿勢でいると痛い症状があり、痛くて夜寝れない時があるという辛い状態です。
背景
狭窄症に関してはもう主治医との話し合いで手術をする方向で決まっています。
ですが、股関節周辺の痛みが狭窄症によるものなのか変形性股関節症からのものなのか分からないそうです。
医師が言うには股関節は確かに患側の方が軟骨が減っているがそれによる痛みかどうかは判断しかねるとの事。
確かに、いくら画像で軟骨がすり減っていたり変形が進んでいても、痛みがない場合もあるのです。
大切なのは、日常生活がどれだけ大変かです。
症状
同じ姿勢でじっとしているとどのような体勢でも股間節周辺(L1)やL5、S1支配領域が痛くなるというものです。
仰向けで両膝を曲げて、左右に倒して体を捻るような動きも痛くてできません。
この痛みは狭窄症によるものでしょう。
ちなみに狭窄の範囲はL1からL5までと幅広いので、その領域内のどこで痛みが出てもおかしくはないです。
つまり、L1の神経が障害されれば、その支配領域である股関節付近も痛むという事です。
施術
うつ伏せでいても、仰向けでいても痛みが出る、圧痛もある、運動時痛もあるという事でやれることは無血刺絡しかないと判断して無血刺絡を行いました。
理由は、下手に動かしたり押し込むと症状が悪化する可能性があると思ったからです。
そのため、リスクが少ないアプローチ法である無血刺絡を選びました。
腰、臀部、大腿から下腿にかけて痛みがある部分を追いかけて刺激を加えました。
すると、かなり痛みが引いたと仰っていました。
神経鎮静目的の電気刺激
施術前はうつ伏せで5分経過くらいで痛みが出ていました。
無血刺絡の刺激後はうつ伏せでも電気治療器を10分かける事が出来ました。
その後、立ち上がって多少動かしても症状はないと仰っていました。
電気治療器は蛇足かなとも思いましたが、神経回復作用がありますので臀部腰部にかけました。
施術を振り返って
施術のポイントとして、腰部の無血刺絡だけではあまり症状改善しませんでした。
臀部、特に大腿骨頭のあたり、仙腸関節部、坐骨結節部周辺などへの刺激が効果的でした。
施術から3日後、前回の施術の後は寝る時に痛くならなかったと仰っていました。
しかし、3日目くらいからまた痛くなってきたとのことでした。
無血刺絡は、以前も両方の先股脱の強い痛みの症状の症例を書いた事がありました。
奥の筋肉や関節の異常に対して、皮膚上へのアプローチでも効果が出るケースもあるのです。
症状が強い時こそ短時間、ローリスクの刺激を
痛みが強い時に運動療法や、組織を痛めるようなマッサージ、鍼などの施術は注意が必要です。
下手に刺激をすると、症状が増悪する可能性があるからです。
なので皮膚のみに痛圧刺激をおこなう無血刺絡は、強い症状に対しての第一選択肢となります。
今回の患者様は手術されることは決まっています。
今度は術後の痛みや違和感などの症状がでた場合のケアなどが出来ればと思います。
鍼や刺絡は神楽坂東五軒町鍼灸整骨院へ。
