今回は、冷え、胃腸の不調、疲労です。
何が一番の原因かはっきりとは分からない症状を不定愁訴と言います。
その場合は、生活環境やクセ、仕事、生活サイクルなどが大きく関係しています
冷える環境と胃腸。
今回の患者様は仕事柄、飲食物保存の為、自宅でもお店でも常時冷房が必須という環境に身を置いています。
おそらく品質維持のため「常温」を保っているのでしょう。
しかし体は冷えてしまいます。
そして飲食のお仕事のため、夜遅くまで立ちっぱなしでお酒も飲むので、余計に体が疲れてしまいう状態でした。
症状は、疲労、下痢や腹痛、胃もたれなど胃腸の不具合、それと冷えです。
お酒、冷房、長時間の立ちっぱなし、夜中の活動が、自律神経と内臓と筋肉を疲弊させたのでしょう。
施術方針。
身体が冷えて疲れていて、脈が遅く沈んでいる状態を東洋医学的に「虚症」といいます。
治療方針としては、疲れて足りなくなった気を補う補法を行います。
なので、お灸を行いました。
「虚証」の場合は、あまり激しい刺激はしない方がいいです。
なので、鍼を使うにしても強い響きは与えず、細い鍼で急所に置鍼程度にとどめておきます。
お灸で使う急所はとりあえず、おへそ周りなどお腹です。
へその横の天枢という胃の急所、左右の「天枢」に圧痛がありましたのでここにお灸を行います。
次におへその上の「中脘」にも圧痛がありました。
ここも胃腸症状や自律神経調整に使う急所です。
その上の「九尾」も同じような効能があります。
この他に、足の陽明胃経の慢性症状に使う絡穴である「足三里」にもお灸をします。
これだけでもお腹と全身が温かく感じると仰っていました。
次にうつ伏せで、胃兪、脾兪、大腸兪、小腸兪、関元兪などにお灸を行いました。
最後に、もともとあった腰痛治療で腰の急所に鍼を刺して置鍼を行いました。
生活スタイルによって病は形成される。
これで施術は終了です。
かなり体が温まったとのことでした。
胃腸症状も改善はしましたが、同じ生活スタイルを続けていると症状は戻りやすいです…。
なので、如何にして少しでも冷えを防ぎ、胃腸に負担を掛けないように休ませるかという事が大切になってきます。
あと、そのような胃腸の不調が長く続くようであれば一度、病院でしっかり検査を受けた方がいい場合もあります。
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