今回の症例は、頚肩背中が常に硬くいつも重だるさを感じておられる60代の男性です。
頚部を左回旋させると右の頚の付け根が痛むという症状でした。
施術
まず、頚脊真ん中(督脈)のライン、c1からc7まで無血刺絡のチクチク刺激を加えました。
そして、その右横1行線、2行線、患部周辺も同様に刺激します。
これでもう一度頚の回旋動作を行ってもらいましたが、症状はあまり改善されませんでした。
次に、指で左右の肩井穴(肩にある急所)を抑えてもう一度回旋動作を行ってもらいました。
すると楽に動かすことが出来ました。
でも、手を肩井穴から痛みが戻ってしまいます。
もう少し探ってみると、右の頚の付け根が左に捻ると痛いのですが、左の肩井穴だけを抑えても楽に左回旋が出来る事が分かりました。
なので、左の肩井穴に無血刺絡の刺激を加えました。
周囲が赤くなり、フレアー現象が確認できたところで施術は終了し、もう一度回旋してもらいました。
するとかなり痛みが楽になったとの事。
客観的に見ても可動域がかなり広がりました。
最後に、左回旋をしてもらいあえて筋肉を緊張させた状態で動きを停めて、その状態で左右の肩井穴と患部を刺激しました。
その後は、ほぼ痛みがないとおっしゃって下さいました。
健側に症状改善のヒントがある。
今回のポイントは、左に捻ると右が痛い症状に対して、左を緩める事で著効を示した事です。
頚を左に捻るという事は、左が収縮して右が伸長します。
一見、左の筋筋膜に傷があり、伸長により傷口が広がって痛みが出ていると解釈できます。
傷がある伸長側を緩めて余裕が出れば、その余裕分傷が開かなくて痛みが出ないという理屈もあります。
ですがそもそも、収縮する側が硬くてそれにより、傷口を引っ張って広げている可能性もあるのです。
その際は、収縮側を緩める事が重要なのです。
急性、慢性症状に対して鍼や刺絡、ほぐしは効果的です。
お辛い方は是非、神楽坂東五軒町鍼灸整骨院へお越し下さい。
