35歳 男性 (主訴) 長距離運転によるぎっくり腰。

主訴と症状。

こちらの患者様は、長距離運転のお仕事をされているドライバーの方です。

慢性定期に頚や腰が辛い状態で、急に腰が痛くなって動かしずらくなったという状態です。

ローマは一日にして成らず。

「ローマは一日にして成らず」という言葉があります。慢性症状も同じで、わずかな外力やストレスが長期的に体に掛かり続けて一つの症状となるのです。

凝りや疲労は「ローマ」ではない。すなわち凝りは「偉大な功績」ではないだろう、と思うかもしれません。ですが、生活を守るために身体を酷使してそれにより蓄積された疲労やコリによる症状、これは名誉の負傷以外の何物でもありません。現在に至るまで耐え凌ぎ、「生きてきた証」であると言っても過言ではないです。

それを労わり、少しでも改善の方向へ持っていき、明日に希望を持っていただく事こそが僕の仕事であると思っています。

ぎっくり腰にならないように。

腰の筋肉や、それを包む筋膜に負担が掛かり続けるとぎっくり腰になる確率が高くなります。

ひどい状態では、起き上るとか寝返り動作だけでも困難になります。その場合、強い痛み止めを飲んだり座薬を入れたり、病院に行けない場合は救急車を呼び、救急搬送されるケースもあります。

救急搬送されると病院ではブロック注射、座薬などを用いて痛みを抑えるという治療を行います。そして動けるようになってきたら、歩行練習などのリハビリを行っていくという流れです。

無論、それでよくなる場合もあれば、腰から下全ての痛みを楽にするブロック注射が全く効かないぎっくり腰もあり、大変に苦労するケースもあるのです。

ぎっくり腰手前。

今回の患者様は、そこまでの症状ではないにしろぎっくり腰1歩手前くらいの辛い症状でした。

腰の真ん中あたりが痛くて、前後左右に動かすと痛く、立ち上がり動作が辛いという状態です。

このような場合、痛みを訴えている箇所を押したり伸ばしたりすると症状が逆に悪化する場合があります。

しかも、その部位を施術しても症状があまり軽減されないことも多いです。

辛い動きに連動した急所を緩めて改善を図る。

 なので、施術方針としては一つ一つの辛い動きを診ていって、その動きと関連している部位を緩めたり刺激を加えるという形になります。

立ち上がり動作では、お腹側からアプローチしたり、腰の前後運動では下肢の前後の急所を使って症状を改善させていきます。

離れた場所に改善の糸口あり。

腰の症状がある場合、症状改善の糸口が足のほうにある場合が結構多いのです。

神経の走行や、普段負荷がかかりやすい筋肉の位置、その周辺にある響きやすい急所それらを考えて施術していきます。

すると、最初の内は痛みでほとんど動かせなかった腰が大分動かせるようになりました。ここで施術は終了です。

オーバートリートメントに注意。

まだ痛みは多少あるとおっしゃっていましたが、一回の施術で全部の症状が取り切れることもありますが、そうでない場合もあります。

一度の施術で症状が取れる限度があります。

それ以上を求めて更なる施術を追加すると、オーバートリートメントといって刺激が多すぎて体が疲れたり痛みが悪化することがあります。

あと、最初痛かった動きが大幅に改善されています。動かした時の痛みの程度も大切ですが、動かせる範囲がどれだけ増えたかというところが大きなポイントなのです。

最初の一番辛い症状が10だとすると、施術以後は4くらいとおっしゃっていました。僕はここで深追いせず施術を終了し、また次の日に様子をうかがいながら施術をしました。

次に日にいらして頂いた時は、前日よりもだいぶ良くその日の施術で痛みもかなり楽になったとおっしゃていました。