32歳 女性(主訴) ランニングによる脚の痛み。

主訴と症状。

この患者様は、マラソンサークルに属されており週末などはレースに出場されるという方です。
走る頻度は週に三回くらい、一回5~10キロくらい走るそうです。

症状は、一週間くらい前から走行中に左の土踏まずのあたりに痛みと違和感を感じていて、次第に強くなるというものでした。
最近では、踏み込みの度に土踏まず付近に痛みがあるということで来院されました。

長距離ランナーが痛めやすい部位。

長距離を走る方で痛む部位というのは幾つかあります。長脛靭帯、脛骨、腓骨、中足骨、膝、股関節などです。

その中で土踏まず付近となると考えるのが、扁平足、シンスプリント、後脛骨筋、ふくらはぎです。

偏平足の弊害。

この患者様は扁平足でした。扁平足とは、足の真ん中内側にある舟状骨という骨が下に落ち込んでしまい、それによりアーチが少なくなってペッタリとした足になってしまう状態の事をいいます。
外反母趾や、内反小指とも関係があります。

その舟状骨にくっついていて、そこから足の内くるぶしとアキレス腱の間を通り、脛の内側にくっつく後脛骨筋という筋肉があります。
この筋肉が上手く働いてないと、舟状骨を引っ張る力が弱まり扁平足になってしまうのです。

症状改善のポイント。

痛む苦手な踏み込み動作の際に、その後脛骨筋状にある急所を押さえてみると踏み込み動作が割と楽にできました。

あとは、ふくらはぎの急所を押さえても割と楽に踏み込み動作ができました。
この二つの筋肉をよくよく緩めて、電機治療機をかけ、先程のようにあえて痛む苦手な動きをツボを刺激しながら痛まない状態で何回か行いました。

それにより、大分症状は緩和されました。

オーバーユーズと休息。

ランナーの故障原因の多くはオーバーユーズです。

学生時代、陸上部で部長をしていましたのでよくわかります。

なぜオーバーユーズをしてしまうのでしょうか?

回を重ねて頑張って走れば走るほど、体力がつきます。
1ヶ月もすると見違えるくらい長い距離が早く走れるようになっています。
ほんとです。

しかし、サボったり、身体に悪いものを摂取したりすると、途端に衰えます。えっ??って思うくらい、いつもの距離が辛く感じるのです。
それをベストの状態に戻すのに、時間がかかります。

なので、一度走り出したらなかなかやめられないのです。
一つは体力がついてきてる楽しさや充実感。二つめは、築き上げた体力と早さを失いたくないという執着や焦燥感。これらの感情で、多少辛くても走り続けてしまうのです。

ランニングで身体を痛める方はそのように思ってる方が多いと思います。
気が向いた時だけ楽しく走れればいいや、という気持ちで少しの距離を走ったり、走らなかったりであれば体を痛めないです。

「痛める」ということは一生懸命頑張ってる証拠です。

オーバーユーズで傷めないためには、休息をしっかり取る厳密なトレーニングメニューを作成する必要があります。主観的にも、客観的にも理想的なメニューである事が望ましいです。そしてそれを順守する心の強さも大切です。