63歳 女性(主訴) ゴルフと肩の痛み。

主訴と症状。

ゴルフで肩を痛めたという患者様です。ゴルフスイング動作、特に内側に左腕を引きつける際に左肩の肩峰部周辺が著明に痛むという症状です。

腱板損傷とは?

病院では、特に腱板損傷などではなさそうだという事で湿布と痛み止め、肩の運動が指示されていました。

腱板損傷でなくてとりあえずよかったです。

腱板損傷とは、肩関節を守っている小さな筋肉の腱が部分的または断裂してしまう怪我の事を言います。

主に、転んで肩を捻ったり打ちつけたりすることで発症します。しかし、年齢と共に何もしなくても自然に部分断裂してしまう事もあるのです。

基本的に一度断裂した部分は自然治癒しないのです。50肩の急性期のような強い痛みがでる事が多いのが特徴です。

湿布薬について。

病院でもらった湿布の効果を患者様に聞いたところ、今はあまり分らないけれど最初は貼ると少し楽だったとの事でした。

肩の負傷部位には多少なりとも炎症があったのでしょう。湿布薬は鎮痛消炎効果があります。すなわち、炎症がある部位の痛みには良く効くのです。

そのため、湿布薬が功を成さないという事は、炎症ではない痛みともとらえられます。

施術方針と施術。

肩を内側に寄せる動きで肩峰周辺が痛むのは、内転動作で筋肉の牽引力により患部が引っ張られている可能性が高いです。

なので、そこが引っ張られてもいいようにある程度余裕を持たせる事も一つです。

首、肩、腕、指は神経や経絡、筋膜などで繋がっています。これは、一本のゴム紐みたいなものです。どこかが硬くなって縮こまる事で、弱い部分を引っ張って痛みが出ている可能性があります。

そのため、その縮こまっている部分を解きほぐせば余裕が生まれ、その余裕を弱い部分に送る事で「あそび」が生じ、そのあそびがある分、引っ張られても痛みが出ないもしくは出にくくなるのです。

肩の内転時痛は、肘、前腕、指の屈筋腱を緩める事で大幅に解消されました。