今回は鼠径部の痛みと違和感の症例です。
背景
長身の方で、少し小さめの折り畳みの自転車によく乗られているという特徴があります。
恐らくそれで、鼠蹊部周辺に負担が掛かったのではないかと思われます。
整形外科や、泌尿器科を受診しても医師からは原因が良く解らないとの事でした。
泌尿器科では、精管が詰まる事で痛みが出ている可能性に基づき、精管を広げる薬が処方されていました。
しかしそれを服用しても全く症状が変わりませんでした。
施術
とりあえず、当院では痛みが出ない程度に内転筋周辺をストレッチで十分に緩め、骨盤の調整を行い、鼠蹊部を温熱療法機器で温めました。
すると、まだ少し違和感があるが、今までの施術の中で一番楽になったとおっしゃっていました。
患者様ご自身は、鼠蹊部の温めがすごくよかったとおっしゃっておりました。
僕自身、何が決め手となったのかと考えると、恐らく内転筋群の十分なストレッチと、骨盤調整です。
骨盤調整とは何をしたのかというと、脚の長さを左右で診ていき短い方の骨盤周辺の筋肉を緩め、長い方の骨盤を上の方に、元の正しい位置に戻すように調整をかけるというものです。
骨盤の傾きや足の長さにフォーカスして、腰回りの土台部分から施術していくということは非常に大切です。
その後、三回程施術し小さめの自転車を乗らないようにしたら痛みや症状が出なくなりました。
骨盤というより腰の調整
今思うと、局所の温熱で血管拡張し内因性発痛物質を除去し、腰骨盤周囲のアプローチにより腰部から出ている神経の鎮静化に成功したのだと思います。
鼠径部を支配する神経はL1番から出ています。
陰部はS2です。
違和感と痛みを感じる部位の大元は仙骨と第一腰椎から出ている神経の感覚なのです。
小さい自転車に乗る事で骨盤が後傾し、腰と仙骨部をつなぐラインに伸張力が加わり、神経周囲に影響を与えたのではないかと思います。
神経症状は、圧迫や伸張の原因を取り除き、血流を良くすれば早期に回復します。
今回は意図せず、それに順ずる施術内容になったのだと思われます。
鍼や刺絡は神楽坂東五軒町鍼灸整骨院へ。
