(短)健康知識③トランス脂肪酸、水虫、身体のサイクル

 トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、植物や動物から精製した油の臭い抜きなどの目的で高温処理した際などに発生します。トランス脂肪酸は主にマーガリンやショートニング、菓子類、揚げ物などに含まれており、冠動脈疾患、動脈硬化、糖尿病などのリスクファクターとなります。食環境の影響などにより、血清トランス脂肪酸濃度は若い人の方が年配者よりも高い傾向にあります。若くてもトランス脂肪酸は先に述べたあらゆる病の危険因子です。ファーストフードや質の悪い油は摂らない方が賢明です。一般的に、オリーブオイルなどのオメガ9脂肪酸、えごま油や亜麻仁油、魚介類から摂れる油などのオメガ3脂肪酸が身体に良いとされます。しかし、それらも古くなって酸化すると過酸化脂質となって細胞の機能異常に繋がる恐れがあります。家で調理する際は新しい油を使う事もまた肝要です。

 水虫

水虫(白癬)の原因菌である白癬菌は、家のフローリング、バスマット、共同浴場の床などに普通に存在しています。一度足裏に付着した白癬菌は15分くらい裸足でいると勝手に落下していきます。無論、手拭いで足裏を拭いてもすぐに落ちます。でも12~48時間にわたり白癬菌が足裏に付着してると特殊な酵素を出して角質の中に侵入し始めます。

水虫の罹患者は国内に2500万人です。白癬菌は、時間経過の他にも角層に傷があったり湿っているとなお入りやすい傾向にあります。足の指の間の皮が剥けやすい、足裏に小さな水泡がある、踵に割れ目がある人は注意が必要です。白癬菌を放っておくと、足白癬から爪白癬にもなります。爪白癬は爪が分厚くなったり色や形がおかしかったり左右で違った見た目を呈します。白癬菌がどんどん増えて角質層まで入ってくると、これを排除しようと免疫細胞が炎症を起こします。これにより水虫では足の痛みや痒みの症状が出るのです。白癬菌は皮膚の角質層にあるケラチンを食べます。なので爪や髪、身体にもつくのです。大切な事はなるべくこまめに足を洗うもしくは足裏を手で払う、そして常に清潔を保つ事です。

 身体のサイクル

人間の細胞にはピリオドという時計遺伝子が搭載されています。体内での物質の生成と分解を一定のサイクルで行うよう管理する働きがあります。この時計遺伝子の周期が食欲や睡眠欲の周期の根源にもなっているため、体内時計と異なる周期で生活すると生活と代謝の時間軸がずれてあらゆる病や不調に繋がるのです。体内時計の周期は24時間よりも少し長いため、毎日の生活の中で少しずつずれていきます。ずれた体内時計は「朝食を摂る事」と「朝日を浴びる事」でリセットされます。起床時に太陽光を浴びる事で脳の視交叉上核が反応してずれた体内時計がリセットされるのです。時間栄養学的に、朝食抜きなどはもってのほかで、体内時計を規則正しく保つには食事を摂る時間が重要となります。朝食は起床後すぐ(二時間以内)。昼食は朝食から5時間後。夕食は朝食から10時間後(12時間以内)に済ませる事が肝要です