悪夢
睡眠中、頻繁に不安や恐怖を覚える悪夢を見るのは「悪夢障害」といいます。悪夢を見ながら実際に叫んだり隣の人を叩いたりするのは「レム睡眠行動障害」といいます。これは、筋肉の緊張を下げる神経調節システムになんらかの異常がある場合が多く、αシヌクレインが関係するパーキンソン病やレビー小体型認知症の前兆の可能性があります。また、高齢の方で夕方になると幽霊が見える、いないはずの子共や虫、小動物、火が見えるという幻視、錯視症状も同様にレビー小体型認知症が疑われます。気になる方は主治医の先生に相談してみて下さい。
徹夜
脳のパフォーマンスを上げたい時は睡眠が大切です。そのため徹夜はおすすめできません。なぜなら、人は起床から17時間を越えると、血中アルコール濃度0.05%(ビール中瓶1~2本)の人と同等のパフォーマンスまで脳と身体機能が低下するからです。これは、いわゆるほろ酔いの状態です。なので、例えば試験の前日に徹夜をすると、脳の処理能力が通常より低下した状態で試験に臨む事になるのです。人間は睡眠中に記憶の焼き付けや整理、情報処理を行っていると考えられてます。全力で挑まねばならない大切な日の前日は必ず睡眠を摂るようにしてください。
ヘルペスと鬱
帯状疱疹の原因でもあるヘルペスウイルス保有率は60代で70%以上といわれています。ヘルペスウイルスは接触や飛沫で感染します。感染後、ヘルペスウイルスは神経細胞に潜み、免疫が弱ると神経を伝って皮膚表面に表れて、痛みやかゆみ水膨れなどの症状を招きます。さらに、9つあるヒトヘルペスウイルスの内の6型にある、SITH1遺伝子はうつ病と関係がある事が解っています。うつ病の方のSITH1遺伝子の量は健常者に比べ十数倍も倍高いのです。鬱は心の弱さとかではなく、遺伝子の関係で起きている場合もあります。ヘルペスウイルスの再活性化を防ぐには免疫力を高める事が肝要です。身体を暖かくして筋肉を動かし、セロトニンの元となるアラキドン酸が含まれる鳥肉などを食べると良いでしょう。
女性と動脈硬化
女性ホルモンのエストロゲンは、LDLコレステロールの生成を抑制したり、余分なLDLコレステロールを肝臓へ運ぶ働きを促進させるなどの特性があります。しかし、閉経後の女性はエストロゲンの値が下がるため、男性に比べLDLコレステロールが高くなりやすいのです。LDLコレステロールは脂質異常症や動脈硬化などに関与します。LDLコレステロールによる害を防ぐには、HDLコレステロールを増やす事が肝要です。HDLコレステロールは、青魚、ナッツ、オリーブオイルなどの不飽和脂肪酸を含む食物を摂取したり、運動をする事で高く保つことができます。LDLコレステロールが気になる方や、更年期に差し掛かっている方は、いつもよりも運動を意識するようにして見て下さい。