腰痛と足の少陰腎経。

腰痛の症例を診るにあたり大事なことはどの動きでどこが痛むかだ。その動きと痛む部位と関連している筋肉、神経支配領域、筋膜などをみていく。大抵それらの内のどこかに改善のヒントがあり核心部がある。だがそれでもだめな場合、経絡を見ていくのもひとつだ。経絡は五臓六腑へとつながっている体中の反応点を結んだラインのことだ。特に内臓の症状がなかったとしても経絡は見ていった方がよい。「腰」というと「腎」、五行で言う「水」に該当する。

腰痛で、L2,3の横や腰方形筋周囲に筋硬結、圧痛、自覚症状などがあるならば復溜、太谿、照海あたりの経穴を押すといいだろう。それらを押えた状態で痛む動きをしてみてもらうと楽に動かすことができる可能性がた高い。人によっては、一番辛い起き上りや寝返り動作も楽になる。

さらに上記の他、耳の症状や日常的に怖い事があるという恐怖の感情も持ち合わせている場合はより足の少陰腎経の流注上にある経穴は功を成す可能性が高い。