五行説とは木火土金水の5つを中心に様々な事象の連なりや所属、傾向、性質を見ていく東洋医学の考え方だ。
木には肝臓が該当する。肝臓の血管の走行が樹木に似ていることや五臓の中では最も青いことから分類されたのだろう。肝は胆と結びつき、目、筋、怒りなどとも関連がある。怒りっぽく、癇癪の強い、すぐに青くなって大声でどなる人が想像できる。木の特性は「曲直」である。樹木の成長する形態を示している。枝が曲直しながら上と外にむかって伸展していく姿。成長、のびのびした姿などのせいしつがあると読み解く。
火の特性は「炎上」。心に属する。心は小腸と結びつき、舌、血脈、喜びなどとも関連がある。テンションと声が高く、常に笑っているようなイメージだ。
土の特性は「稼ショク」。カショクとは土の持っている播種と収穫という農作物への作用をいう。生化、継承、受納などの作用の事象は全て土に帰属する。土は脾に属し、胃とも結びつく。口、肌肉、思い、などと関係している。物思いにふけり考え込みすぎたりするとこの部分が病んでしまい、肌荒れや胃腸症状などの影響がでる。
金の特性は「従革」。従革とは変革の意味。宣発、粛降、収斂などの作用がある。上に上げる、下へ下げる、縮めるという意味。金は肺に属し大腸と結びつき、鼻、皮毛、憂いなどと関係している。悲しい、憂いの感情が強すぎると肺を傷み、喉や肌が乾燥したり便秘とも関係がある。
水の特性は「潤下」。水が持つ潤いと下へ流れるという方向性、寒涼を表している。水は腎に属し膀胱とつながっていて、耳、骨髄、恐れの感情とも関係している。恐れの感情があると発育に支障をきたしたり、耳鳴り、抜け毛などに影響が出る。