踵骨棘はなぜできるか。

踵(かかと)に骨の棘が出来る事を踵骨棘という。踵の骨が出っ張って神経に当たると痛い。人に依っては歩けなくなるほど痛い。対処法はインソール、抗炎症の注射、テーピング、リハビリなどで、ひどい場合は骨棘を引っ張っている足底腱膜を手術で切る方法もある。手術をすれば85%で楽になるという。非観血療法の場合は症状改善までおおむね6~10ヶ月程かかるそうだ。

(参考文献)かかとの痛み続く踵骨棘 加齢や運動量多いと発症:朝日新聞デジタル (asahi.com)

なぜ踵骨棘になるかというと、その前身として足底腱膜炎の存在がある。足の裏には足底腱膜という腱とそれを包む膜がある。例えば、革靴で長時間歩いたり、立ちっぱなしでいたりすると足底腱膜に負荷が掛り足底腱膜部に炎症が起きる。そのため、歩いたり足裏を伸ばしたりすると痛みが出るのだ。これが悪化すると踵骨棘といって踵の骨が出っ張ってきて痛みが出る。一度こうなると、冒頭でも述べたが歩けないほど、日常生活に支障をきたすレベルで痛む方もいる。

ではなぜ骨がでっぱるのかを説明する。

踵骨を包んでいる骨膜の内側には骨芽細胞という細胞が常に巡回していて骨を作る仕事をしている。足底腱膜は踵骨の骨膜とくっ付いており、足底腱膜が収縮すると踵骨の骨膜を引っ張ってしまう。すると、踵骨と骨膜の間に隙間が出来る。そこに骨芽細胞が溜まるとその隙間の形に骨が出来る。これが小さなとげのような形だから棘。踵の骨に出来た棘だから踵骨棘なのだ。なので、踵骨棘防止のためには足底腱膜のけん引力を弱める必要がある。日頃から足裏のストレッチやマッサージ、青竹踏みなどを行ったり、足底にかかるストレスや負担を軽減しておいたほうがよい。