脳と神経伝達物質について。

大脳と脳幹の各部を結んでいるのは、脳幹にある神経核と呼ばれる多数の神経細胞の集合体から伸びる軸索。脳の中に左右対称に分布している3系列の神経核から出る神経がある。それぞれが神経伝達物質を分泌する。

A1~7はノルアドレナリン。A8~16はドーパミン。B1~9はセロトニン。C1~3はアドレナリン。

その他、縫線核からもセロトニンがでる。

報酬系の中心となる神経はドーパミンを分泌するA10。中脳の腹側被蓋野からドパミンが出て前頭連合野、偏桃体、側坐核、帯状回、視床下部、海馬に行き届く。これらは快感につながるところ。

特に側坐核が重要で、ドーパミンが側坐核

喜ばしい経験はドーパミンを受けて活性化された海馬に記憶として蓄えられて次に同じような状況が来た時により早いドーパミン放出が起こる。一回良い事があったら、その良い事を知らない時よりも喜びや期待が大きくなってしまう。これがギャンブル依存など、あらゆる嗜癖や依存症に繋がる。

ドパミンの神経核

間脳

A15 嗅球 14、13不確帯 12弓状核 11間脳後部

中脳

A10腹側被蓋野(辺縁系へ投射する中脳辺縁系路と前頭葉へ投射する中脳皮質路がある。前者は偏桃体の興奮(情動)により活性化され後者はストレスや不安などの負の要因で活性化する) 9黒質緻密部(新線条体へ投射。パーキンソン病の関連部位として錐体外路運動に関与) 8赤核後角

ノルアドレナリン神経系

A7網様体の外側部 6青斑核 5上オリーブ核の周囲 4上小脳脚の周辺

延髄

A3下オリーブ核の背側 2孤束核の周辺 1外側網様核の周辺

ノルアドレナリンはストレス反応で活性化され視床下部室傍核を中心に副腎皮質刺激ホルモンを分泌してそれによるコルチゾールの分泌、その他交感神経の活性化に関与する。前脳基底部へ投射してアセチルコリン分泌を介して覚醒反応にも関わっている。快不快などの情動中枢として機能する大脳辺縁系の一部である偏桃体への投射は情動回路として前頭前野へ投射し、不安、恐怖、パニックなどの行動を引き起こす。セロトニンはこのようなノルアドレナリンの作用を抑制的に働くとも考えられる。

セロトニン神経核

中脳

B9線状核 7背側縫線核 8、6正中縫線核(海馬に投射→記憶情報処理)

B5橋縫線核 4舌下神経前位の背側 3大縫線核(脊髄後角へ下行性抑制による鎮痛)

延髄

B2不確縫線核 1淡蒼縫線核 ともに、延髄縫線核群として脊髄前角運動ニューロンへ(抗重力筋の増強)脊髄中間外側核の交感神経節前ニューロンへ(交感神経興奮)

セロトニン分泌亢進要因は、歩行、咀嚼、呼吸のリズム、運動、太陽光など。セロトニンの分泌抑制因子は慢性ストレス。ストレスにより活性化される神経である室傍核コルチコトロピン放出ホルモン神経が縫線核に投射していて5HT神経の活動を抑制する。ただし、一過性のストレス刺激には影響しない。

アセチルコリン

CH1内側中隔核 2ブローカー対角帯核 共に海馬へ投射

CH3ブローカ対角水平亜核 臭結節へ投射

CH4マイネルト基底核 大脳皮質へ投射、認知、記憶力増強。

CH5橋脚被蓋核 6背側外側被蓋核 共に背側路(視床へ行く上行網様体賦活系)と腹側路(マイネルト基底核へ行く皮質賦活)

CH7内側手網核

CH8ニ丘体傍核

アセチルコリンは末梢では運動神経の神経終末、交感神経、副交感神経の神経節、神経終末に伝達物質として機能している。

中野伸子さん著書 脳内麻薬

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より抜粋