サッカー後に発症したぎっくり腰の症例。

サッカーを午前中に行ってその後、昼過ぎから腰がとても痛くなって寝返り、立ち上がりなどがとても困難になってしまったという症例です。

動きを見て見ると、立ち上がり、座り、前後屈が極めて辛いという状態でした。それらに対して、腹部、側腹部、臀部、腰部などに刺激をしたり、痛む局所に電気鍼を行いましたがあまりその場で大きな変化はありませんでした。

痛むところは背中、腰、仙骨部、臀部のあたりというような感じでピンポイントではなく、ご本人もどこが一番痛いのかいまいち分からないというような状態でした。

そこで、下腿後面を触ってみると全体的に非常に硬いことに気が付きました。特にアキレス腱と筋肉の移行部にのあたりや膝裏のあたりです。この部分を手で押さえた状態でもう一度立ち上がり、座りの動作をしてもらったところ非常に楽だと仰っていただきました。その後下腿部の筋硬結部位をほぐしつつ痛む動きをあえて少しづつ行ってリハビリをしていくことで、前屈は完全ではないしろ、後屈、立ち座り動作は大分改善がみられました。

下肢と腰の関わり合いは大いにあります。筋膜、経絡、神経、血管、筋肉など。腰が痛む場合は下肢のコンディションも念頭に入れるのは基本ではあります。さらには今回の患者様は痛める前にサッカーを行っていて下肢を酷使していたわけですから最初から腰にかかる下肢の影響を強く念頭に置く必要があったわけです。

腰付近が痛むという場合、常日頃、特に直近でどのような事をしたのか、それによりどこに負荷が掛っていたかを考えるのは本当に重要な事だと改めて実感させられた症例でした。