「一般臨床医学」川崎病について。

川崎病という疾患があります。

これは乳幼児に多く、全身の血管に炎症が起こる病気です。

なぜか東アジア、特に日本に多いです。70人に一人、4歳以下で特に1歳未満に多くみられます。

症状には6つの特徴があります。

1 38度以上の高熱が2日間続く

2 目の充血、白めに血管が浮き出る

3 唇下に充血、イチゴ舌

4 全身の発疹

5 手足が赤く腫れて指先の皮がむける

6 頚のリンパ節が腫れる(片側)触ると硬い

以上の症状が5~6個見られるようなら川崎病と診断されるそうです。川崎病は血液検査などで特定できるものではなく症状の傾向とどれだけ特徴に当てはまるかで判断するそうです。

川崎病の原因は、はっきりとはわかっていないません。カビ、ほこり、ウイルス、細菌などが体内に入り込みそれに対して免疫が過剰に働く事で上記のような症状が出るのではないかと一部考えられているそうです。

なので、一種の自己免疫疾患ともいえますので、人から人へ移るという感染のリスクはないといえるでしょう。

川崎病で一番懸念されることは心臓の血管にこぶができてしまう冠動脈瘤です。

冠動脈は三層構造になっていますが、内側に内弾性版がありこれがあることで血管の形を一定の物に保っているのです。炎症が起きる事で血管が水膨れを起こし血管が膨らみます。さらに炎症が起こる事で内弾性版に負担がかなりかかり断裂をおこしてしまう事があるのです。そうなると内弾性版が機能しなくなるので血圧が上がります。そこから血管が広がりこぶが出来てしまうのです。これが冠動脈瘤です。

発熱して6日~8日経つと炎症で血管が水膨れを起す。

8日~10日で内弾性版に断裂が生じる。

10日~12日経つと血圧で血管が広がり瘤ができる。

なので、10日以内に「炎症を抑える」、「熱を下げる」、「冠動脈瘤」を防ぐという事を行わないといけません。

お子さんに、高熱、発疹、リンパ節の腫れなどの症状が見られた場合はすぐに病院を受診するか、かかりつけの病院にお電話してください。