動かすと痛い症例集。立ち上がる際の膝の痛み。

今回の症状は地面から立ち上がる際に膝が痛いという症状です。

外傷を除いた膝の痛みでもっとも多いのが、加齢による変形性膝関節症です。これは、年齢と共に筋肉が落ちてきて膝の関節の間(特に内側)が狭くなって主に、膝の曲げ伸ばし時の痛みや関節可動域の制限が起こるという症状です。

この場合は膝の周辺の急所を押えたり、ふくらはぎを押えたりすると膝の症状が楽になるケースもありますが、骨盤部分への刺激も重要になります。

今回の患者様は、膝の曲げ伸ばし時は痛くないけど立ち上がる際に膝の内側が痛むという症状でした。この際に、骨盤と大腿骨を結ぶ大腿筋膜張筋、その奥にある小殿筋などを押えてあげると膝の痛みを感じずスムーズに立ち上がることができました。これはおそらく、膝に内側は腰椎3番目からでている神経が支配しているのですが、膝の内側に至るまでに骨盤部、大腿筋膜張筋あたりも通っているのでこの部位の筋肉が張ってきてその下にある神経との滑走障害が生じて離れた膝の部位に痛みがでていたというようにも考えられます。

いくら膝の関節が変形していても、軟骨がすり減っていても、どうすれば動いた時の痛みが楽になるかを諦めずに追及していくことはとても大切です。