局所への電気鍼が抜群に効いたとても辛いぎっくり腰の症例。

今回は、ぎっくり腰になってしまってただ座っているだけでも痛い、立ち上がり座りも辛い、寝返り、回旋、側屈、後屈が辛くて前屈だけがまだ割と痛くなく動かすことが出来るという状態でした。

回旋や側屈、立ち上がりなどに対応した急所や、筋肉の固い部位などを押える事で楽になるケースは非常に多いのですが、今回のぎっくり腰の症状では全く変わりませんでした。このような事は珍しく、痛む動きと関連した的確な急所を押える事で場合によって大幅に、少なくとも20%くらいは症状が変化し押えていない時と比べると押えられている方が楽だとおっしゃって頂く事が多いです。ですが、今回は全く症状が変わらないので、痛む局所に対して無血刺絡を行いました。どうにもこうにも辛くて、じっとしていても痛いとういう安静時痛があったり、とても強い痛みの場合に無血刺絡は効果的な場合が多いです。しかし、局所への無血刺絡でも大した変化はありませんでした。それどころか、無血刺絡の刺激がとても痛くてきつすぎるとおしゃっていました…。このような場合、無血刺絡は直ちに中止すべきだと僕は思っています。確かに嫌なもの反射と言って、キツイ刺激だからこそ副交感反応が得られるということもありますが、痛すぎて嫌すぎて力が入ってデリケートな損傷部位に強い力がかかって悪化する可能性があるからです。

ではこのような、繋がりの部位を緩めても効果がなく、血管神経狙いの無血刺絡も効果がない場合はどうするかという事で、痛む局所への緩い電気鍼を行いました。

理由は、鍼という異物を痛む局所に挿入することで痛んでいる局所に神経を集中させて異物を排除しようという作用が働いて痛んだ箇所を治そうと自己治癒力を上げるという事と、痛む局所に鍼をさしてそこにダイレクトに電気刺激を流して損傷した細胞の修復を促す、鍼刺激により脳内麻薬様物質を分泌させて痛みを抑制させるなどの効果を期待してです。

腰に鵜なるべく負担を掛けないように横向きで、痛みに弱い事を考慮してとても細い鍼で鍼治療を行い、極弱い電気を鍼に5分程流しました。

鍼治療後も症状はあまり変化しませんでした。局所に湿布を貼ってコルセットを貸し出してお帰り頂きました。その日は金曜日でしたので、その後月曜日にもう一度いらして頂いた時にお話を伺ったら、なんと次の日には劇的に回復したとのこと!!!!金曜日の痛みが10だとすると今の痛みは2か3くらいと仰って下さいました。

鍼治療は鍼を人体に刺入するので体を傷つける強い治療法と思われがちですが、とても細い鍼を使用したり、感じるか感じない程度で電気を流したりといくらでも弱い刺激にすることはできます。そして、弱い刺激でも効果は出ます。痛む箇所との繋がりを意識した筋、筋膜へのアプローチ、神経血管自律神経へのアプローチである無血刺絡の他に、痛む局所へのアプローチとしての鍼治療も僕にとっては頼れる手技の一つです。

神楽坂 東五軒町鍼灸整骨院より。

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