今回は、アトピーの症例です。
30代男性、アトピー性皮膚炎により痒みが強く、肘と頚の部分の皮膚がゴワゴワと硬くなってしまっているような状態です。
無血刺絡は、アトピー性皮膚炎の症状改善例も多くあります。医師が行っている療法であり、どのようにしたら効果が出たのかという治療方法も分かります。なので、そのマニュアルに沿って治療を行っていきます。
アトピーの症状が強く出る要因として、食事、ストレス、衣服などの擦れ、遺伝、その他外的要因などが挙げられます。
その中で、まずは患者様がどのような食生活をされているか、この部分からお話をお聞きします。
食事内容において、無血刺絡の創始者である長田先生がおっしゃるには次の4つの食物をなるべく取らないようにすることが大切との事です。
1 乳製品
2 小麦粉
3 カフェイン
4 オメガ6系油
なぜかという理由はここでは細かく書きません。とても重要な内容であり、人によっては「ずっと食べてるけど大丈夫なんだけど」と、誤解を招く恐れがあるからです。折に触れその都度書いていこうとは思いますが、気になる方は当院に直接いらして下さい。
今回の患者様の食生活はとても乱れておりました…。とにかく仕事のストレスが強いようで、暴飲暴食をされているとのことでした。仕事中はコーヒーを多く飲み、お酒も毎日飲むようで割と脂っぽいものを摂っているとのことでした。
この中で、コーヒーがまずカフェインですね。油物はもしかしたらオメガ6系油が入っている可能性もありますが、毎日同じものを食べるわけではないのでとりあえずカフェインに注目します。
カフェインはなぜ良くないかというと、血管収縮作用があるとされています。この血管収縮というのが無血刺絡を行うにあたってよくない事なのです。無血刺絡は、副交感神経を優位にさせ血管を開くことに意味があります。
なので、血管収縮作用があるカフェインは交感神経を優位にさせる働きもありよくありません。
交感神経が優位になるとどうしてよくないかというと、要は交感神経は緊張状態の神経ですので体に負荷がかかっているという事です。
ストレスを受けている時が交感神経優位の状態です。
アトピーの治療以外にも、難治性疾患の治療はとにかく体をリラックスさせて副交感神経を優位にすることが大切になります。
なので、交感神経優位になるような食物や刺激は避ける事が第一です。
後は、事細かにできる事ならば食事メニューを聞き出し紙に書いてもらい、それを一つ一つチェックしていくという作業も大切になります。一体、何を食べる事によって体の免疫機構が過剰に反応してIgEという血液成分が高くなっているのかという同定が必要になります。
大抵の患者様は病院で指導が行われてはいますが、それでも上記の4つの項目もなるべく取らない方がいいと思われます。
試しに、こちらの患者様にはコーヒーや緑茶などカフェインが含まれている飲食物はなるべく取らないようにして頂きました。
そして、無血刺絡の刺激は顔、頭、全脊柱に行いました。
肘や首の皮膚が乾燥してゴワゴワしている箇所には温熱シャワー療法を指示させて頂きました。
温熱シャワー療法とは、約45度から50度の熱い温度のシャワーを患部に当てるというものです。
それにより、表面が赤くなるフレアー現象が起こります。フレアー現象とは、毛細血管が開いて血の巡りが良くなっているという状態です。無血刺絡の「チク」という刺激と、熱い温度の「アツッ」という刺激は同じ神経の伝送路を通ります。そのような痛圧刺激により副交感反応が引き起こされます。
治療後は痒みが治まったとの事でした。自宅でまた痒みが起きてきた時には、温熱シャワー療法を行っているとのこと。最初は熱かったけど、慣れてくると心地よく熱いとおっしゃっておりました。
こちらの患者様は引き続き治療継続中です。今後は食事面の改善や、ストレス管理の面に関しても良い方向にいければと思います。
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