熱中症は侮ってはいけません。
熱中症に関する統計。
2023年には1636人の人が熱中症で命を失っています。
※2023年速報値 人口動態統計より
同じく、2023年の統計で9万1467人もの人が救急搬送されています。※2023年 総務省消防庁より
毎年、平均6万人以上の人が熱中症で救急搬送されていますが、1番多い月は7月と8月です。2021年はコロナの関係で外に出ない方が多かったのか減少しましたが、それ以外はだんだん多くなってきています。
搬送された年代は、17歳以下は11.4%、18歳から64歳までが33%、65歳以上が54.9%です。
※令和5年総務省消防庁の統計より
高齢者が一番多い理由。
半数以上が高齢者なのです。高齢者は暑さを感じにくかったり、持病や服用している薬の作用などが関係していると思われるます。
熱中症の初期症状。
熱中症の初期の症状は、めまい、立ちくらみ、筋肉痛、こむらがえり、手足の痺れなど、です。
この時点で涼しい場所に移動したり、経口補水液を飲んで安静にすれば、難なくリカバリーできるでしょう。
症状が進行すると…。
しかし、ここで見過ごしたり我慢すると症状が進み、頭痛、吐き気、倦怠感が現れます。
さらに進むと…。
さらに症状が悪化すると、意識障害、運動障害、高体温を招きます。ここまでくると、自力での対処は無理です。救急搬送が必要になる可能性が極めて高いです。そしてこの状態では、たとえ病院に行ったとしても一朝一夕での回復は無理です。
対処法。
熱中症になりそうな時は、服の上から霧吹きで水をかけて気加熱を使い放熱を図ります。そして腋窩、膝下、手首、鼠蹊部、頸部など体表から触れれる大きな血管を冷やす事です。
もしも失神してしまったならば、すぐに救急に連絡した上で、衣服を緩め、横向きに寝かせて、上側の手を顔の下に持ってきて、顎を少し突き出して気道を確保するという「回復の体位」を取る事です。
真夏にやってはいけない事。
暑い季節にやってはいけない事がいくつかあります。
①朝食を抜く
②塩分、水分を取らない
③コーヒー、緑茶、お酒を飲む
④寝不足
⑤エアコンをつけない
など。
ビール、コーヒー、緑茶で水分補給にはならない。
だいたい分かると思いますが、コーヒー、緑茶、ビールはなぜ飲んではダメなの?と思われる方もいるでしょう。
これは、利尿作用があるためです。これらは水分補給にはなりません。飲むと逆に水分量が減ります。
そして、ビールなどのお酒は身体に多大な影響を与えます。全てのアルコールは飲むと尿酸値が上がります。利尿作用で水分が外に出て、血中アルコールや尿酸が濃縮されます。血液がドロドロになると脳梗塞のリスクも上がります。
真夏にビールを飲みながらゴルフなどは申し訳ありませんが愚の骨頂であり、絶対にやってはいけません。
薬の副作用に注意。
服用している薬の副作用が、暑い環境において身体に弊害をもたらす事があります。それは主に、汗が出にくくなるという弊害です。
降圧剤、抗アレルギー薬、抗精神薬などは副作用があります。これらの薬を飲んでいる方は暑い環境に気をつけて下さい。
救急車を呼ぶ目安。
救急車を呼ぶ目安として、3つの「ない」を覚えるとわかりやすいです。
①意識がない。②自力で水分摂れない。③歩けない。
この状態では一般の方では運ぶのが難しいと思いますので、必然的に救急搬送を選択されるでしょう。それでもわからない場合は、♯7119に電話して指示を仰いで下さい。