夏に多い肌トラブルを起こす虫は主に、蚊、ぶゆ、蜂です。
蚊とぶゆは吸血性があり、蜂は刺咬性があります。
吸血性のある蚊とぶゆ。
一般的なのは、室内にいるアカイエカと、外にいるヒトスジシマカの2種類です。
これらの蚊は、人間から出る二酸化炭素を感じ取って近づき針を刺して毛細血管から血を吸うのです。
針は、血を吸う針、麻酔のような物質を打つ針、組織を広げる針など複数あり、普段はそれらが一本に収納されているのです。
麻酔のような作用のある唾液にアレルギー物質があり、それに反応して刺されたところが赤く腫れて痒みを伴います。
その皮膚症状は個人差があり、あまり腫れない人もいます。
雌の蚊は水があればどこでも卵を産める。
蚊は、水があるところならばどこでも発生します。
雌の蚊は少しの水があれば、その水辺に卵を産むのです。その後、蚊の卵は水中で育ち、成長して飛んでいくのです。
血を吸うのは雌の蚊だけです。なぜなら、血をエネルギーとしてそれを元に卵を産むためです。
蚊が活動しやすい温度と時間。
蚊が活発になる適温は22℃から30℃くらいです。基本的には昼に動く昼行性ですが、最近は暑すぎるため温度が少し下がった夜間などに活発に動く傾向があるそうです。
レジャーの際はブユに注意。
次に、ぶゆについて説明します。
ぶゆとは、ハエのような見た目をしていて、綺麗な川や渓流沿いに多くいます。そのため、野外レジャーや小学生の林間学校などで刺される事が多いです。
ぶゆも蚊と同じで、人間の二酸化炭素や温度を感じ取って近づいてきます。
そしてノコギリのような口で皮膚を切って、出た血を吸うのです。蚊はストローのように優しく吸いますが、ぶゆは噛んで穴を開けるのです。
血を吸う理由は蚊と同じで卵を産むためのタンパク質が必要だからです。
なぜブユに喰われると強く腫れて痛むのか?
刺されると、3日くらいパンパンに腫れて辛いです。腫れが引いた後も痒い発疹が出てきて、これが長いと数ヶ月持続する事があるというのが厄介な特徴です。
吸うための血液が固まらないように、血液抗凝固作用のある唾液を流し込むのですが、これが蚊の唾液よりも強いため、免疫反応も強く起きます。
それにより、蚊に刺されるよりもパンパンに腫れて痛みを強く伴うのです。
蚊やぶゆに刺された時の対処法。
ぶゆも蚊も、刺された時の対処法はとりあえず冷やす事です。冷やすと血管が収縮して痒みを伝える神経に栄養が行きにくくなり神経伝達速度が遅くなるから痒みが少し感じにくくなるのです。
痒みの物質「ヒスタミン」。
痒い時は薬を使うのも一つです。
痒みの物質は一般的にヒスタミンで、それを抑える成分の一つとしてジフェンヒドラミンがあります。
症状が強い場合は、ステロイドホルモン入りの塗り薬もあります。これはかなり強力に作用します。
何がいいか迷ったら、薬局で薬剤師さんに聞いてみてください。
虫よけスプレーは日焼け止めの上から。
虫除けスプレーは、皮膚に一定の濃度で付着する事で効果を発揮します。日焼け止めと併用する場合は、日焼け止めの上から虫除けスプレーを塗って下さい。
虫除けの成分には、イカリジンとディートの2種類があります。
ディートは、蚊の吸血センサーの感覚を麻痺させて人間によりにくくさせる効果があります。ディートは6ヶ月未満の子供には使ってはいけなく、12歳未満も使用回数に制限がありますので気をつけて下さい。
成分によって子供や妊婦に不適合なものもある。
イカリジンも作用は同じです。しかし、妊婦さんや子供にも使えるし、効果時間も長いです。これらも購入の際は薬剤師さんに相談して下さい。
蜂は蚊と違って身を守るために毒針を刺してくる。
最後にハチについて書いていきます。
蜂は主に、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの3種類が危険であるとされています。
蜂が刺すときには、お尻の先端に毒針がありそれを皮膚に刺す事で毒液を相手に注入するのです。
その毒液の中に痛みや腫れを起こす成分があるのです。
ミツバチは、一旦針を使って刺すとお尻の針が取れて人体に残ります。これはピンセットで丁寧に取る必要があります。
侮ってはいけないアナフィラキシーショック。
蜂毒で怖いのはアナフィラキシーショックです。刺されて15分以内に身体中が痒くなる、腹痛、息苦しくなる、気分不良などの症状を呈します。
アナフィラキシーショックは免疫の過剰反応です。それにより、気道周辺の組織が腫れ上がって呼吸ができなくなる事で、命に関わることもあります。
直近で2回目の蜂毒が一番怖い。
前に刺されたのが1、2年前だと抗体がたくさんあるので、強く自己免疫反応が出るのでアナフィラキシーショックが起こる可能性が高いです。
10数年前に刺されたのであれば、大分抗体は減っているため命の危険は少ないとは思います。
アナフィラキシーショックが起きた時には、アドレナリンが必要になります。アドレナリンを打つことで身体を覚醒させて、腫れて浮腫んだ気道を開かせるのが目的です。
蜂に攻撃、挑発はダメ。いい香りのデオドラントもダメ。
蜂は刺激してはいけません。あと、山に行くときは強い匂いの香水などはよくありません。花の香りによってきやすいのです。制汗剤などは無香料を選ぶとよいでしょう。