低温火傷、低温熱傷は「冷たくて火傷をする」という意味ではない。
熱湯の様な熱い物ではなく、「触れるような熱さの物」で負った火傷の事をいう。なので「熱くて」火傷をしている事には変わりない。
低温熱傷になる時間を以下に記す。
44℃→3~4時間。46℃→30分~1時間。50℃→2~3分。
湯たんぽの温度は60~90℃で、カイロは50℃、電気毛布は20~50℃。これらを長時間使用中、大抵は気付かずに寝てしまって火傷を負ってしまう。冬場は特に気を付けなければならない。
火傷はグレードにより3種類に分かれている。
一番軽度であるⅠ度は表皮のみの熱傷で、ワセリンのみでほぼ治る。
Ⅱ度は浅めの真皮まで熱傷が及んでいる状態で、患部の洗浄と抗菌薬、創傷治癒促進剤などが必要となる。
Ⅲ度は一番重症で熱傷が皮下組織まで到達している状態。皮膚の移植手術が必要となる。
熱傷はその範囲が重要であり、9の法則というものがある。これは、身体の各部位の面積が体表面積の9%または2倍の18%と換算する方法。胸腹部、下肢(片側)が18、上肢(片側)、頭が9、下腹部は1となる。
乳児と幼児は9ではなく、5で数える。頭、胸腹部が20、上肢、下肢(それぞれ片側)が10。
死亡の可能性がある重要熱傷はⅡ度とⅢ度熱傷の合計が体表面積の30%以上だ。※小児老人は20%。Ⅲ度熱傷のみの場合は10%以上。※小児老人は5%。
手掌は1%に当たるので、手のひらの大きさでおおよその熱傷範囲を把握することもできる。但しこの「手掌」は受傷者のものとほぼ同等の大きさでなければならない。